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校長ブログ

~校長室の窓から~ 「 クリスマスミサのあとに 」

2023.12.23

 明日から冬休みです。クリスマスも間近で楽しい雰囲気があふれています。とは言え、毎日のニュースではロシアとウクライナの戦争に加え、イスラエルとハマスによるガザ地区における戦闘で、多くの市民や子供たちが犠牲になっていると伝えられています。ガザ地区はキリスト教にゆかりの土地のすぐ近くです。本来ならば明るい雰囲気に包まれるはずの地域ががれきと化し、人々が苦難のうちに暮らしているのを見るのは心が痛みます。

 今日のミサで私たちは世界に平和の光が届きますように、と祈りました。紛争の地で苦しみを抱えて懸命に生きている人々のことを心にとめて、彼らに少しでも安らぎがあるように祈り続けたいと思います。そのように広い世界のことに思いを巡らすと同時に自分の足元を見ることも大事です。平和、というのは身近な人との関係から始まります。残念ながら私たちにはウクライナでの戦争も、パレスチナでの戦争も止めることはできません。それでも、身近な人々との間に平和を築くことはできると思うのです。

「平和の種をまく人に」などと言いますが、平和の種ってなんでしょう?家族でも友達でも、通りすがりの知らない人でも、誰かをほっこりした気持ちにさせたら、誰かを笑顔にさせたら、それは平和の種だと思います。そう思うと平和の種のもとはあちこちに転がっていますね。実は今週、80歳の女性の方から学校にお手紙をいただきました。その方は先日、大船駅の改札近くで野菜が売られているのを見て、思わずたくさん買ってしまったのだそうです。ところが、いざ、持ってみると重くて大変だ、と困っていたところ、清泉の中学1年生2人が「持ちましょうか」と声をかけてくれて、荷物を持ってタクシー乗り場まで一緒に行ってくれた、ということで、それに対してのお礼状でした。その方にも中学生の孫娘がいるけれど、孫娘も清泉の生徒のように優しく親切な人に育ってほしい、とも書かれていました。このお手紙を読んで私たちは、とても嬉しくて、ほっこりしました。この中学1年生の方は大きな平和の種をまいてくれたと思います。

皆さんは実際に今までにきっと何かの花とか野菜の種をまいた経験があると思います。撒いた種全部が発芽して育つわけではありません。虫に食べられてしまったり、世話をしていたのに枯れてしまうこともあります。私たちが平和の種を周囲にまいても、もしかしたら無視されてしまったり、何の反応もなく、ちょっとがっかり、なんてことがあるかもしれません。でも種まきには不思議なことが起きます。庭に種をまいたりすると、「あれ、こんなところに種をまかなかったのにな」と思うようなところに芽が出ることもよくあります。風に種が飛ばされたのか、鳥が落としたのか、ともかく思いがけないところから芽が出て、嬉しいサプライズが起きることがあります。ですからみなさん、このクリスマスや新年の時期に皆さんなりの平和の種をあちこち撒いて、より多くの人が平和を感じられるようにしてみましょう。

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