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~校長室の窓から~ 「放送朝礼のお話 外国語科 名越先生」

2023.10.02

 今月の月目標は「和解・平和」ですね。今回のポスターは、中3新井瑚菜さんが書いて下さいました。素敵なポスター、ありがとうございます。

今日はこの和解・平和について私なりに考えていることをお伝えしたいと思います。

 皆さんの中で、世界遺産について興味を持っている方はとても多いと思います。今年、私は以前から訪れたいと思っていたオーストラリアで世界遺産をいくつか訪れました。オーストラリアといえば、グレートバリアリーフやオペラハウスなど、美しい遺産が多いですね。しかし、今回は負の遺産にも目を向けてみようと思い、シドニーにある、Hyde Park Barracks という19世紀初頭、囚人用の宿泊施設として建てられた場所を訪ねました。

オーストラリアに入植がはじまってから、1788年には流刑地としてイギリスから最初の移民がやってきました。労働力が必要だったため、多くの囚人が連れてこられました。彼らは田畑を耕し、建物を建て、開発を進めていきました。

 さて、もともとこのオーストラリアの土地に数万年以上暮らしてきた先住民がいるのですが、どんな人たちか知っていますか。そう!正解はアボリジニです!聖地のウルルや壁画のアートなどとても有名ですね。アボリジニにの部族の中に、Wiradjuri という部族がいます。イギリスから入植者が来て最初のうちは、入植者たちは先住民とうまく共生して暮らしていました。しかし、ある事がきっかけで大きな対立へと発展してしまいました。

 あるイギリスからの入植者は畑でポテトを育てていました。ある日、ポテトをWiradjuriの部族におすそ分けしたところ、次の日もWiradjuri の部族が持って行くということが起きました。イギリス人はポテトを勝手にとられた、と思ってしまいました。

 そもそも先住民たちが昔から耕してきた畑であるという点はありますが、アボリジニの人々には、土地にあるものは誰かが所有しているものではなく、皆で共有するものだ、という考え方を持っていたため、イギリス人との誤解が生じ、対立が生まれてしまいました。しかし、これについては話し合いや妥協策が考えられる前に、暴力へと発展し、大きな戦争の火種へとなっていきました。

 さて、ここから何を学ぶことができるでしょうか。歴史という視点で考えると大げさですが、過去の過ちと似たようなことは、意外と今の世界や、または自分のかかわっている身近なところでも起きていることがあります。「和解・平和」、難しい言葉ですが、歴史を学びながら、まずは自分自身が、身近なところから行動したいと思います。

 

10月目標

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