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校長ブログ

~校長室の窓から~「始業式の言葉」

2023.01.10

皆さん、あけましておめでとうございます。冬休みはいかがおすごしでしたか?

2023年がスタートしたわけですが皆さんは新しい年が始まったなと実感するのはどんなときですか?私は1月2日3日の大学駅伝ですね。6~7年前の事になりますが、駅伝のゴール地点付近まで応援に行ったことがありました。まず驚いたのは沿道をうめた人の多さと、大学ごとの応援団です。選手の走る姿はかろうじて人垣のすき間から見え隠れするものの、かなりのスピードで通り過ぎてしまうのでどこの大学が速かったなどよくわかりませんでした。結論は「テレビで観戦するのが一番順位がよくわかる」でした。

 そして、元日の朝には分厚い新聞が届きます。その中で特に私にとって興味深い記事は各大学の学長メッセージです。各大学が目指している教育理念がわかります。「理想を追求し、全社会の先導者を育てる」「共感と信頼を力に新たな価値を創造する」「グローバルな行動する知性を育成する」「たくましい知性としなやかな感性を磨き世界で輝く」「新しい地図を描く人材を世界へ」などなど。どのメッセージも素敵ですが、私が一番気に入ったのは次のメッセージ「サーバントリーダーを育成する」でした。サーバントとは奉仕者のことで、リーダーは先導者です。つまり、全ての人や社会に仕え、人を導く存在になってほしいというメッセージです。皆さんにもそういうリーダーになってほしいと願っている私の気持ちと一致したメッセージでした。

 さて、年が明けて登校してみると大きな封筒が届いていました。開封してみるとだいぶ前の卒業生から送られてきた博士論文でした。同封された手紙には「昨年大学院を卒業し、博士課程の学位を取得できたのでその論文を送ります。」とありました。彼女のことは清泉を卒業して20年近く経っていましたがよく覚えていました。確か中1、高2、高3で私が化学の授業を担当しました。当時の印象としては、いつも授業を大切にし、質問にもよく来ていました。大学はお茶の水女子大の理学部生物科に進んだのですが、なんと彼女の大学担当教授が私の大学2年後輩でソフトテニス部に所属し、一緒にテニスをしていた松浦悦子教授でした。早速昔の愛称だった「悦ちゃん」から連絡が入り、不思議な縁にお互いびっくりしたものでした。

 彼女はお茶大卒業後京都大学の大学院に進み、晴れてドクターになりましたがそのドクター論文のテーマは「超高齢化社会における障害者施設のあり方に関する研究-日本におけるダウン症患者および重症心身障害者に関するエビデンス」です。実は彼女の妹さんがダウン症でした。今回の論文は幼い頃から妹さんと共に生活したなかで経験し学んだことの集大成だったと思います。もし興味のある方は校長室にありますのでお読みください。

 手紙の後半で、「清泉でお世話になった先生方の存在を励みに、清く正しく愛深くのモットーの下、周りの人とは違う気付きを得られたり、より深い学びを得られたり、論文の作成がそれほど苦には感じなかったり、のびのびと育てていただいたありがたい環境であったと改めて感謝します。」と手紙に書かれていました。皆さんも新しい年に向け、今年は何に挑戦するのか新たな目標をぜひたててみてください。高3の方たちは、今週末に迫った共通テストに向けています。今までの努力の成果が発揮できますよう皆でお祈り致しましょう。

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