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校長ブログ

~校長室の窓から~「放送朝礼のお話(社会科 北宮先生)」

2022.07.04

皆さん、おはようございます。社会科の北宮です。

早いものでもう7月、夏休みまであと3週間となりました。

今月の月目標は、「一致」と「兄弟愛」です。ポスターは、中3の溝口さんが描いてくださいました。青の爽やかな絵が、教室を少し涼しくしてくれます。

突然ですが、皆さんに質問です。私が日頃、一番よく飲んでいるものはなんでしょう。

①コーヒー  ②ヤクルト400  ③ヤクルト1000

答えは、もちろん!…①のコーヒーです。コーヒー中毒な私が大好きなコマーシャルがあります。それは缶コーヒーGEORGIAのCMで、山田孝之さんが出演しているシリーズです。中でも次のCMが好きなのですが、見覚えある方いらっしゃいますか?

山田孝之さんが扮するのは、道路を作る土木作業員。スマホのアプリを見ながら一言。「便利になったよな~スマホのアプリ。作ったやつすげーな。」

すると、そのアプリを開発した男性に画面が切り替わり、昼ご飯に買ったお弁当を食べてポツリ。「うま!この弁当企画した人、マジ神!」

そして、その弁当を企画した女性が、「お弁当は素材が命。生産農家さまさまね!」

生産農家の男性は、「野菜は鮮度やけん、運んでくれる人に感謝やね。」

最後に、野菜を運ぶトラック運転手の女性が、新しく完成した道路を走りながら、「この道完成したんだ~。助かるわぁ~!」と呟きます。

この道路は、冒頭の土木作業員が建設に携わっていた道路です。

何が一番グッと来るかといえば、CMの最後に出てくる「世界は誰かの仕事でできている。」という言葉です。私を含め、多くの労働者が勇気とエールを貰ったのではないでしょうか。

「世界は誰かの仕事でできている。」きっと私の仕事も誰かのために…そんな希望を抱きつつ、今日もコーヒーを手に取るわけです…。

皆さんは、このCMの登場人物のように「今の自分が、誰かの働きによって生かされている」という感覚を持ったことがありますか?

今、学校の教室で放送朝礼を聴いている。これはひとえに、家から送り出してくれた家族、電車・バスを運転してくださった方、学校を朝早くに開けてくださった警備員の方、毎日放送機器を操作してくださる放送委員の皆さんのおかげに他なりません。私は電車もバスも運転できないし、朝の6時半より前に学校に来れたことはないし、この小さなスイッチがたくさん並ぶ放送機器をどうやって操作するかも分かりません。

先月は、大規模な学校説明会がありました。多くの生徒・卒業生の皆さんが助けてくださり、清泉女学院史上最多人数の小学生と保護者をお呼びすることができました。あの日は、我々教職員だけでは到底手が足りず、私は心の底から「清泉女学院は、清泉生一人ひとりによって生かされている」と感じました。改めて、感謝申し上げます。

こうしてみると、5月の朝の祈りで大原先生がおっしゃっていたように、私たちは誰もが何かしら足りず、それを互いに補い合って生きていることを実感します。自分は誰かの働きに支えられていますが、同時に誰かの足りない部分を満たす存在でもあります。

7月の月目標である「一致」とは、大きく言えばこの地球という星に暮らす全人類が、運命共同体として共に歩んでいくことです。しかし、国籍も文化も価値観も違う人々と一つのコミュニティを築き上げることがどれだけ難しいかは、ニュースを見ていて皆さんもご承知の通りでしょう。でも、その理想に近づくうえで欠かせないのが「兄弟愛」ではないかと思うのです。兄弟愛とは、「互いが生かし生かされる関係である」ことに気づくこと、そして互いに尊敬し合い、尊重し合い、すべての人を分け隔てなく大切にすることです。スポーツやチームで「一致」団結する時も、この考え方がベースにないと本来の力が発揮されません。

生徒にとっても先生にとっても、うんと忙しい7月。焦りと疲れで愚痴も多くなってしまいます。しかし、「でもなぁ、自分が今こうしていられるのは、誰々のおかげなんだよなぁ」と想像してみると、逆に自分もエールを貰えるかもしれません。今日も世界は、そんな皆さん一人ひとりの働きによって回っています。

 

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