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~校長室の窓から~「放送朝礼のお話(国語科 神田先生)」

2022.02.22

みなさん、おはようございます。国語科の神田です。

昨日、北京オリンピックが閉幕しました。各国の選手が活躍している姿に勇気づけられた人も多いでしょう。

一方で、ロシアウクライナの緊迫した情勢も連日報道されており、大変気がかりです。

昨日、今日の朝礼で何を話そうか考えながら、気も散漫にSNSを眺めていたところ、1つの投稿に目が留まりました。

「ロシア語では『世界』も『平和』も同じ「ミール」である。綴りで区別したが、それは人工的な区別で、発音は完全に同じ、語源も一つだ。古代のスラブ人にとっては、『世界』とは『戦争のない状態』のことだった。

発言者を見てみると、沼野充義さんというスラブ文学の学者さんの言葉でした。

「平和」と「世界」を同じ言葉で表すということに私は驚きました。

現代文の授業などで学んだ人もいらっしゃると思いますが、私たちがどのようにこの世界を眺めるかは言葉によって規定されています。今の世の中では、「世界」と「平和」を同じ言葉で表し「世界」が「戦争のない状態」であるように眺めることは到底できないように思われます。

しかし、このようなものの見方で世界をみることができるということはとても重要で心に留めておくべきことだと考えさせられました。

この投稿は「現代のロシアは恐ろしく退化してしまった」と現在の情勢に対する批判につながっていましたが、戦争や紛争などに限らず、私たちの身の回りのちょっとした争いごとなどにおいても、何かの争いごとが起こってしまうときには、ものの見方は極めて狭い状態に陥ってしまうのだと思います。

しかし、私たちは世界と平和を同じ言葉で表せるような、より広い視野で世界を見つめ、平和な世界の実現に向かっていけるように考えていきたいです。

来週には学年末試験があります。さまざまなものの見方で世界を見る目を養うため、日々の授業で学んだことを自分のものとできるよう、学習を続けていってください。

以上で話を終わります。

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