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校長ブログ

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2021.04.13

~校長室の窓から~「 放送朝礼のお話し(倫理科 大河内先生)」

 4月の月目標は清泉が大切にする十の価値の筆頭であり、中心に位置する「愛」です。ポスターには、スペインのオビエドという町の修道院にあった聖ラファエラ・マリア像を私が昔、写真に撮ったものを載せました。本校の中庭にある白いがっしりとしたラファエラ・マリアのご像とはちがって、やさしく、たおやかなイメージですね。実物のラファエラ・マリアは両方の面をもっていた方ではないかと想像します。

 ポスターの言葉、「周りの人を幸せにすること、それが本当の愛」という言葉ですが、ラファエラ・マリアの言葉の中でも最も有名なものです。これは1884年にマドリードで、総長として修道会の中心であったラファエラ・マリアが、修道女として歩み始めたばかりの若いシスターに向けて書いた手紙の一部です。つまり、修道生活という共同生活にまだ慣れていない後輩に向けて、共に生活する極意をさずけているわけですから、新学年度が始まって新しいクラス、新しい環境の中にある私たちにとっても、最良のアドバイスかもしれません。

 「幸せにする」というと、大げさに聞こえますが、ここでの意味はちょっとした喜びを与えるとか、気持ちを明るくさせるとか、そういう日常的なささいなこととして考えていいと思います。どんなことが皆さんの気持ちを明るくさせるでしょうか?

 私は春になって、いろいろな花々が次から次へと咲いていくのがとても嬉しいです。あるとき、庭に咲いたチューリップが、その日があんまり暖かかったので一気に咲いて開ききって花びらが一日で落ちてしまいました。それを見て私はとても感心しました。チューリップは太陽の恵みを受けたらその分自分の美しさを惜しむことなく出し切っていたからです。出し惜しみしないで自分を差し出す自然の生命の潔さと、無私の心、私心のない姿に感動したのです。そういうのを仏教では仏性というそうですが、キリスト教的に言うと、無償の愛だと思います。人を喜ばせようとか、自分が喜ばせてあげるんだ、とかそういう気持ちなしに、ただそこに在るだけで人の気持ちを明るくすることができる自然の美しさというものを前にして、私たち人間は首を垂れるほかありませんね。

 けれども、私たちには特別に言葉というものがあります。人を喜ばせたり、明るい気持ちにすることのできる言葉を私たちはいくつ知っているでしょうか? 皆さんは少なくとも日本語を十年以上使っているのですから、いくつかストックがあるでしょう。私は修道院に入ってから、言葉の通じない国へポンと行ってしばらくそこに住むという経験を何回かして、その度に苦労しましたが、その際に、これを言えば必ず喜んでもらえて私の好意が伝わるという表現を一つ覚えることが役に立ちました。例えば、フィリピンのビコール地方の言葉で「イカウ・マガユン」you are beautiful!という意味ですが、これを言うと初対面の人でも必ずウケました。日本で、それを連発することはさすがに気が引けますが、日本語の中にも、「ありがとう」とか「おはよう」とか「どうぞ」とか、そんな単純な言葉でも人を明るくすることができる言葉がたくさんあるのではないでしょうか?

 私たちの周りにいる人を幸せにする言葉をたくさん見つけて、惜しむことなく、私心なく自然に使っていけるように、この4月、心がけて過ごしてみてください。

 

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