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校長ブログ

~校長室の窓から~「 放送朝礼のお話し(社会科 望月先生)」

2020.12.01

 おはようございます。宗教部の望月です。早いもので明日から 12 月。今日は、12 月の月目標「真理」についてお 話しさせていただきます。教室に掲示される 12 月のポスターは、高2の方が書いてくださいました。「真理」を表 現してくださった作品を是非よく見てください。 ところで、皆さんは「真理」という言葉を聞いて、どういう意味かと聞かれたら、どのような言葉が出てきます か?本当のこと。間違いのないこと。誰にとっても正しいこと。証明できること、などでしょうか。辞書で引いてみ ますと、確実な根拠によって本当であると認められたこと。真実。矛盾がない。整合性がある。永遠性・普遍性を有 する。などとあります。 ではキリスト教でいう真理とはどういうことなのでしょうか。ヨハネ福音書に、次のような言葉がでてきます。 「私は道であり、真理であり、命である」また、「私は真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に 来た」とあります。真理、それはイエスの生涯で証されたイエスの姿にあるように思います。聖書の中に出てくるイ エスにまつわる数々の話の中で、イエスは当時社会で弱い立場にある人々に寄り添いました。民族の違いにより苦 しむ人、取税人や卑しいとされた仕事に就いている、など人から嫌われる仕事をしていた人、原因が罪深いからと された病人や障害のある人、などなど、社会の中でひっそり生きなければならなかった人々に寄り添い、私たちに 「本当の生き方」を投げかけられました。差別や偏見をなくし、「隣人を自分のように愛すること」、愛のうちに生き ること、これが真実の生き方であり、真理なのだと、いうことを私たちに伝えられたのではないでしょうか。 そしてもうひとつ、真理について大事なメッセージがあると思います。今回ポスターに書いていただいた聖書の 言葉は「あなたがたは世の光である。あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」という言葉です。私たち人間には 弱さがあります。イエスのそばで過ごしていた弟子たちでさえ、色々な弱さをもち、できない自分を見せつけてい ます。私自身、そして世の中のニュースを見ても、偏見を持たずに生きる難しさがあふれています。でも、その弱さ をもつ人間一人一人が、実は既に「世の光なのですよ」あなたがたの光を隠しておかないで人々に輝かしなさい、と イエスは伝えています。皆さんは放蕩息子の話を知っていますか。親の財産を半分ずつ分けてもらった兄弟のうち 弟が家を出てそのお金をさんざん使いはたし、ボロボロになって帰ってくるのですが、悔いて帰ってきた弟を父は 最上のもてなしをして喜び迎え入れるのです。父のもとで真面目に働いていた兄が不満をこぼすところまで書かれ ているのですが、その部分を読むと、多くの方が兄の気持ちもよくわかりなぜそこまで?と思うのではないでしょ うか。でもその、なぜそこまで?と私たちが思うほど、神は人間を愛しておられる、大切に思っているということ を、イエスは伝えたかったのではないかと思います。神が私たちをそこまで愛しているということ、これも真理な のだ、ということです。そして神の愛ゆえに、わたしたちのことを光だと言われているのだと思います。一人ひとり が持っている光、その光を大切にしていきましょう。特に高 3 の方々は、自分の進路と向き合う日々だと思います。 どういう時も自分自身が世の中の光であることを忘れずに、そして一人一人が別の光であって、その光も神様と結 びついた大切な光だということを心にとめながら、自分だけに与えていただいた光を輝かしていっていただきたい と思います。 ちょうど昨日(29 日)から待降節に入りました。昨日から数えて 4 回の主日である日曜日を迎えるとクリスマス になります。クリスマスはイエスの誕生を記念して、命の光を表わす光の祭典でもあります。私たちの清泉でも今 日の夕方 4 時くらいから、イルミネーションが点灯されます。場所は図書館棟前のモミの木と、新しくなった中庭 と、講堂前に高 3 の宗研の方々が飾ってくださったクリスマスツリーです。命の光、真理の光、希望の光、そして一人ひとりに光が与えられていることを、感じながら待降節を過ごしましょう。

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