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校長ブログ

~校長室の窓から~ 「 始業式」

2024.01.09

 みなさん、新年おめでとうございます。今年の元旦に、私は海岸に行って、江の島をバックにした素晴らしい初日の出とくっきりとした富士山の姿を見ることができました。本当に素晴らしい景色だったので、2024年は良い年になるのではないかな、と思っていましたが、その夕方、石川県能登地方で大きな地震が起き、大変な被害が出てしまいました。この時期、日本海側は雪が降る日も多いです。寒さと不安の中、避難生活を送っている方たち、そして救助活動をしている方たちのためにお祈りし、私たちができることをして、応援し、気持ちを届けたいと思います。

 人が辛い思いや大変な思いをしているとき、元気づけたり寄り添ったりできるのはやはり人間です。いくらテクノロジーが進歩して、ロボットやAIが話し相手になってくれたとしても、人間にはかないません。実は私はお正月にChatGPT を試してみました。「お礼状の文面を書いて」と言っていくつかのキーワードを加えると、とても整ったお礼のお手紙が出来上がり、便利さに感心しました。

 外国語の勉強にも便利だ、というので英語で話してみたところ、ちゃんと英語で会話が続きました。でも、昔習ったフランス語で話してみたら、私の発音が悪くて、フランス語と認識できなかったようで、困ったAIは「他に何かお役に立てることはありますか?」と日本語で返してきました。ちゃんとしたフランス語の発音でないと会話してくれないようです。人間だったら、聞き返して何を言いたいのか察したり、考えたりしてくれそうですが、どうやらそこまでは進んでいないようでした。

 話が少し飛びましたが、AIのようなテクノロジーはどんどん便利になって人の役に立ちます。AIが人間にとってかわる場面も出てきています。でも、だからこそ、私たちの人間性が問われる時代です。私たちはAIと人間はどう違うのか、しっかり考える必要がありますし、人間である私たちだからこそ、できることを考えなくてはいけません。

 2024年は大きな災害で幕を開けました。多くの人が困って弱っているときに、安心させたり、元気づけたりできるのは、やはりAIではなく人間の思いやる心や共感する心です。私たちは今、被災地から離れていますけれども、被災された方々のために祈る、ということも人にしかできないことだと思います。先ほど、フィリピの教会への手紙の一節が朗読されました。「いつも感謝を込めて祈りなさい。正しいこと、清いこと、愛を心にとめなさい。そうすれば平和の神があなた方とともにいてくれる」という内容でした。誰かのために祈る、平和のために祈るのは今こそ大事です。そして、クリスマスミサのテーマでもあったように、その祈りを行動に変えて、今災害や戦争で苦しんでいる人たちのために、できることを実行する、というのも人間にしかできないことですし、それはクリスマスにお話ししたように平和の種をまくことにつながります。 

 さて一つお知らせがあります。2024年1月6日は清泉の創立者聖ラファエラマリアが亡くなって100年の記念すべき日でした。そこで大船の清泉だけでなく日本の姉妹校、世界の姉妹校を創った聖心侍女修道会は2024年を聖ラファエラマリアのメモリアルイヤーとし、色々な企画を行う予定です。清泉はラファエラマリアが蒔いてくださった種から生まれた大きな実りです。創立者聖ラファエラマリアの想いをいつも心にとめる1年にしたいと思います。

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