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校長ブログ

~校長室の窓から~ 「放送朝礼のお話 国語科 齋藤瞳先生」

2023.09.11

 おはようございます。国語科の齋藤です。今日は私の親友の「奈々ちゃん」の言葉から、皆さんへの私の思いを伝えようと思います。

 私と奈々ちゃんが出会ったのは3歳の頃です。同じ幼稚園に通い、同じ学習塾に通い、同じ中高一貫校に入学して青春の時を過ごしました。高校卒業後はそれぞれ違う道を歩みましたが、互いに31歳になった今でも、親友として繋がっています。

 奈々ちゃんはとても優しい人です。温かな笑顔で誰とでも仲良くすることができますし、自分の信じた道を貫き通す芯の強さも持ち合わせています。私が落ち込んで悲しんでいる時、彼女は私の言葉をただ聞いて、受けとめてくれました。そして、「ずっと走り続けることが人生ではない。立ち止まって休んだっていいんだよ」と言ってくれました。他人の憂いに寄り添うことのできる奈々ちゃんは、本当に優しい人です。

 ある時、奈々ちゃんは「自分の価値は自分で見つけるものだ」と言いました。それを言われた時、私は正直「どうやったら自分の価値がわかるのか、自分の価値なんか自分で見つけられるものか」と思っていました。でも、今なら彼女の真意がわかる気がします。「自分の人生の喜びを見つけられるのは、私しかいない」、そして「私の価値は誰かに評価されて決まるものではない、自分で決めるんだ」ということです。

 自分の喜びは、誰かに決めてもらうものではありませんし、ましてや誰かに用意しておいてもらえるものではありませんよね。自分の気持ちが上向きになり、自然と笑顔がこぼれ、体全体で味わう、そんな瞬間があなたの喜びです。同じように、自分自身の価値についても考えてみましょう。誰かに「あなたは価値のある人間だ」と言われて初めて、あなたは価値のある人間になるのでしょうか? いいえ、あなたは初めから、かけがえのない、オンリーワンの存在です。誰かに何かを決めてもらう存在ではないのです。あなたはいずれ、自分で大事な決断を下さなければならないときを、必ず迎えます。進学先なのか、就職先なのか、結婚なのか、出産なのか。いずれにせよ、自分で責任を持って自分の進む道を選択することになります。そんな決断を迎えるあなたが、自分自身の存在の「価値判断」を、他人に預けてしまって良いのでしょうか? 

 もちろん、自分に価値があると思えない人もたくさんいると思います。それで良いんです。当然です。青春はつらく、悲しい一面も、持ち合わせています。ほんの少しの言葉や視線によって傷つき、わずかな行き違いが心の重荷となってのしかかる、そんな日々をあなたは過ごしています。でも、忘れないでください。あなたの一番の味方は、あなたなのです。あなたを助けられるのは、あなたなのです。だからこそ、あなたの価値を決められるのは、あなただけなのです。どうぞ、たくさんのことを経験してください。全ての経験があなたの血となり、肉となり、あなたが自分の価値を見出すときの力になってくれます。

 あなたのこれからの歩む日々が、豊かなものでありますように。あなたがこの清泉の丘を旅立つその時まで、喜びに満ちたあなた、悲しみに暮れているあなたのそばに寄り添い続け、一緒に歩んでまいりたいと思っています。

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