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校長ブログ

~校長室の窓から~ 「6月に寄せて ―ルワンダと沖縄―」

2023.06.22

 6月は大きな行事がないので、静かに過ごしている、と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

 6月17日から24日は第1回目の保護者面談ウィークで、この期間は通常65分授業のところを45分として早めに終了し、放課後は保護者面談を行なっています。生徒の方は授業が早く終わるのを活用して、講演会や大学説明会などのいつもの授業とは違うプログラムが組まれます。それらの中から2つ紹介します。

<ルワンダでの義足支援の講演会>

 6月19日に中学生の講演会に来てくださったのはルワンダで義足提供支援をしているルダシングア真美さん、ガテラさんご夫妻です。1994年にジェノサイドと呼ばれる民族虐殺で100万人が犠牲になったと言われるルワンダでは、命は助かったけれどもケガで足を失う等障害を負った人が数多くいます。ご夫妻は1998年からそのような人たちのために無償で義足を作って提供するとともに、地元の人に技術を教えて自立できるように支援しています。 清泉では6年ほど前からルダシングアさんが来日するタイミングで講演をお願いし、活動を応援するようになりました。

 自分たちで煉瓦を焼くことから始めて築いた施設が水害で使えなくなったり、政府から強制的に移動させられたりして、最初からやり直し、ということを一度ならず経験しているご夫妻ですが、前に進み続ける真美さんのお話にはユーモアとエネルギーがあり、またスワヒリ語で話すガテラさんの話には平和に対する熱い思いが感じられます。生徒たちも実際に国際協力や支援の現場で奮闘しているルダシングアさんのお話にひきつけられて、講演後の質疑応答で熱心に質問する姿が見られました。遠いルワンダがちょっと近く感じられた日でした。

<6月23日=沖縄慰霊の日=かりゆしウエアを着る日>

  6月になると、清泉では沖縄の「かりゆしウエア」を着る教員がポツポツと現れます。そして、23日の沖縄慰霊の日には、沖縄に思いをはせ、多くの教職員がそれぞれのかりゆしウエアを着る、というのが恒例になってきました。(私もかりゆしを持っています。)これは沖縄に住んだことがある教員の呼びかけから始まったものですが、今年はさらに社会科の教員がDJになって昼休みに放送室から沖縄トークや音楽を3日間にぎやかに流す、という試みも加わりました。

 沖縄の歴史や平和について学ぶのは色々な方法があります。清泉の修学旅行沖縄コースでは実際に糸数ガマの中に入ったり、ひめゆり記念館を見学したりして、戦争の悲惨さを学びます。そこで見たもの、経験したことはおそらく忘れることはないでしょう。その一方で、教員が一斉にかりゆしウェアを着ることで、「なんで先生たちはいつもと違う服を着ているんだろう」「かりゆしって涼しそう!」「沖縄の文化って面白い」というきっかけから興味を持って、沖縄戦を知る、というのもよいアプローチだと感じています。6年間毎年色々な種類のかりゆしを見ますから、清泉生は皆、6月23日が何の日なのか、忘れることはないでしょう。そして素敵な沖縄文化をいつまでも大切にしたい、という思いが、平和を望む思いにつながる、と期待しています。

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