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校長ブログ

~校長室の窓から~「入学式」

2023.04.06

 79期のみなさん、本日は清泉女学院中学校への入学おめでとうございます。また保護者の皆様も心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます。教職員一同、そして在校生も79期生中1の入学を心待ちにしておりました。学校の桜も今は濃いピンクが華やかな八重桜が満開で皆さんをお迎えしています。実はこの壇上の八重桜は校内に咲いていたもので、この日のためにこうして活けられました。

 新入生の皆さん、どのような気持ちでこの日をお迎えですか?晴れ晴れと嬉しい気持ちもあれば、ちょっと不安で心細い思いもあるでしょう。でも今日からが新しいスタートです。先生方も皆さんがこれからの6年間、のびのびと過ごすことができる環境を作っていきますから安心してください。また、神様がいつも皆さんを見守っていることも忘れないでください。

 さて、中学になって勉強を頑張らなくちゃ、と思っている人も多いでしょう。勉強、というか学ぶ、ということについていくつか覚えておいてほしいことがあります。まず一つ。勉強は頭だけでするものではない、ということ。世の中では勉強ができる人のことを「頭がいい」と言います。でも勉強は頭だけ使えばできるのでしょうか?考えることは確かに必要ですが、考えているだけでは意外と進まないものです。実際は手を動かしたり、声に出して覚えたり、図や絵を使って分かりやすく理解したり、と様々な感覚を上手に使って勉強するほうがうまくいきます。また普通は1回やっただけで、分かったり覚えられたりはしないので、何回も繰り返すことも必要です。ダンスが上手な人は写真を見たり、動画を見るだけではできるようになりませんね。実際に体を動かして、鏡で確認して何回も練習してやっとできるようになります。勉強もそれと同じです。頭だけでするものではありません。

 勉強や学びについて覚えておいてほしいことの二つ目、それは学校で習うすべての科目、活動が必ず皆さんを豊かにするものであり、無駄なことは何もないので、どんな科目も真剣にそして楽しんで授業を受けてほしい、ということです。私はアメリカで生活したことがありますが、外国にいるとわかる日本の学校の良さがあります。しばしば画一的、と批判される日本の教育ですが、これほどバランスが取れていて幅広い知識と教養を身に着けられるカリキュラムは、そうそう世界にはありません。食わず嫌いで「私はこの科目は嫌いだ」とか「自分には無理だ」などと思わずにやってみてください。先ほど言ったように色々な感覚を使って工夫して何回もやってみると少しできるようになります。そしてできることがだんだん増えると、自分がやりたいことも見えてきます。「やってみる」「できるようになる」「やりたいことが見えてくる」このサイクルが大事です。そうすると、「もっとやってみる」「できることがもっと増える」「やりたいことがもっと増える」というプラスの循環が生まれます。ともかくやってみなければ、そもそもできるようにはなりません。芸術や体育、技術家庭、と言った分野でも、できることが増えると自信につながります。全然関係ない、と思っていたことが科目や分野を越えて結びつき、「こういうことだったんだ」という新たな発見や気づきも出てくるでしょう。特にこの豊かな自然環境を使った理科の学習、特色のある倫理の授業など、清泉ではここでしかできない学びがあります。折角縁あって清泉に集うことになった皆さんです。清泉での学びを十分に楽しんでください。

 そして最後に勉強について覚えておいてほしいこと、それは何のために勉強するのか、学ぶのか、6年かけて考えてほしい、ということです。中学受験を経験した人にとって、今までは「勉強」=「中学に合格するため」だったと思います。ではこれからはどうしますか?〇〇大学に合格するため、とかではなく、もっと大きな意味で、皆さんが学んだことを社会でどのように活かすか、活かせるのか考えてほしいのです。その問いには決まった答えがありません。一人一人違うだろうし、パッと答えられるものでもありません。時間をかけて、なぜ学ぶのか、学びをどのように活かしたいのか、考えてください。ずっと同じ答えを持ち続けなくてはいけないわけではありません。自分の答えが見つかったように思ったけれど、やっぱり違った、とか気持ちが変わった、ということがあってもよいのです。でもなぜ学ぶのか、学びをどう活かすのか、それはまさに皆さんが将来どのように社会に関わっていくのか、という問いです。世界情勢や政治情勢、また様々な事情のために学校で学ぶ機会を奪われているみなさんと同世代の青少年も多い今、思う存分学べる環境にある皆さんはぜひ、その問いを胸に積極的にそして貪欲に学んでください。

 少し難しい話になりました。ともかく皆さんは神様のお導きでここに集うことになりました。6年間の学校生活が実り多いものになりますよう、お祈りしています。

 

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