明日から7月になります。7月の月目標は「一致・きょうだい愛」です。ポスターは中1の方が作成してくださいました。ありがとうございました。 

 さて、朝礼で「一致・きょうだい愛」についてお話するにあたり、改めて「清泉が大切にする10の価値」を眺めてみました。皆さんの教室にも掲示してある同心円の図は、4月の目標である「愛」を中心として、「生命の尊重」「無償性」「一致・きょうだい愛」「正義・連帯」「和解・平和」というように広がっていきます。「神から愛されている人」として自分自身の価値を認めて大切にすることから始め、周囲の人々を愛し、さらに世界の人々とともに行動し、よりよい社会を作るために積極的に貢献する人になるという清泉の目標を表しています。こうして見ると、視点が自分自身から周囲の人々、そして世界へと広がっていく過程に「一致・きょうだい愛」があることの意味を感じました。「よりよい社会を作る」ということは延いては「平和な世界を作る」ということでもあります。今の時期は私たちにとって特に平和について意識をする時期であり、9月の「正義・連帯」「10月の「和解・平和」へとつながる7月に「一致・きょうだい愛」があることの意味は大きいと思います。先週23日は沖縄慰霊の日で、月ミサでは沖縄をテーマに掲げて中3の宗研の方々が準備をしてくださいました。また、1学期末の平和祈念ミサのために、Peace Projectの方々が平和を受け継いでいくという思いを込めて、テーマを考えてくださいました。 

 平和な世界の実現のためには、きょうだい愛をもって世界の人々と一致していく必要があります。このように言うと、とても壮大で難しいことのように感じるかもしれません。ただ、よく言われるように、私たちは身近なところから「平和の種を蒔く」ことができます。家族や友人など一番身近な人たちから始めて、社会の中でかかわるあらゆる人たちに対して、思いやりの心をもって接することは平和への第一歩です。たとえばバスや電車の中で席を譲るというような一見小さなことでも、皆の心配りが積み重なっていけば寛容で平和な社会へとつながっていきます。 

 そして清泉の生徒の皆さんはさらに一歩を踏み出して「きょうだい愛」を実践できていると思います。募金活動をはじめとする様々な活動に一生懸命に取り組む福祉委員の方々、またその呼びかけに応えて協力する皆さん。今の高2が中1の時だったでしょうか、ウクライナのために何かしたいという声が上がって、学年で募金を呼びかけたこともありました。先日、保護者面談週に中1・中2対象に行われたルワンダの講演会の後の物品販売で、購入したいものは売り切れてしまったけれど、寄付だけでもしたいと申し出た人たちがいたと聞いています。おそらく何か行動するとき、皆さんは別に「きょうだい愛」を意識しているわけではなく、誰かの役に立ちたいという思いに突き動かされて無意識に行動しているのだと思います。それこそが、見返りを求めない6月の「無償性」からつながる「きょうだい愛」の実践のように感じます。 

 創立記念ミサの神父様のお話で、キリスト教は愛の宗教であるのと同時に希望の宗教であるいうことと、種蒔きのお話がありました。これからも、希望をもって、皆で平和の種蒔きをしていきましょう。