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校長ブログ

~校長室の窓から~「放送朝礼のお話(教頭 小川先生)」

2022.06.01

 おはようございます。小川です。

 今年度の最初の定期試験が終わりました。手ごたえのあった人、もっとやればよかったと思っている人、色々でしょう。中高の6年間、勉強面がだんだん難しくなって、自信を無くしてしまう、という人も少なくありません。その自信、についてなのですが、私は数年前にNHKのプロフェッショナルに出ていた、ダンサーで振付師のMIKIKOさんの言っていたことがとても心に残っています。この方はPerfumeの振り付けもしている有名な方ですが、彼女は「褒められたりしてほかの人から貰った自信はすぐに崩れてしまう。自信は自分で積み上げていくしかない」という内容を仰っていました。番組を見ていて急いでメモしたのを覚えています。

 子育てに関してはずいぶん前から「子供は褒めて育てましょう」と言われています。小さな子供は褒められるとうれしくなって、どんどん練習したりしていろんなことが上達します。でも人間は複雑な生き物で、成長して中学生や高校生になると自分自身に達成感がなければ、ただ褒められてもあまり嬉しくなくなってしまいます。

 個人的なことですが、私は子供のころからピアノを習っていました。高校生になったときに、ピアノの先生が「高校生になったから、次の発表会では少し難しい曲をひいてみたら?とショパンのバラードを提案されました。」楽譜を見るとわけがわからない。楽譜をみながらピアニストが弾いているのを追ってみても、どこをどうやって弾いているのかさっぱりわからない。でも言われたのでやってみることにしました。難しくて、練習しても全く形にならず、という状態が1か月近く続きました。先生に「やっぱり無理だと思う」と言ったところ、「じゃ、あと1週間頑張って、ダメならほかの曲にしましょう」と言われました。そこで仕方なくもう1週間粘ってみたところ、なんとなく最初のほうが少しできるようになりました。そんな感じで、5か月ぐらいかけてやっと何とか弾けるようになり、発表会にこぎつけました。発表会でもうまく弾けたならよかったのですが、現実は厳しかったです。あがり症の私は、発表会では手が震えてあちこち間違え、さらに途中で楽譜が頭の中から飛んで、とまってしまったりして、全く満足のいく出来ではありませんでした。終わってからほかの人から「良かったよ」、といわれても、自分的には「いやいやいや」という感じで、嬉しくもありませんでした。

 ただ、本番では散々だったにも関わらず、最初は歯が立たなかった曲を何か月も時間をかけて、何とか弾けるようになった、という経験は私に自信をくれました。無理そうに見えても地道にやればなんとかなるんじゃないか、できるようになるんじゃないか、と。

 皆さんもそのような経験はありますよね。最初はできなくても練習してできるようになったことは今までもたくさんあるでしょう。自転車に乗るとか、25m泳ぐとか、ダンスのステップを覚えるとか。勉強も同じことです。勉強で自信を持つためには、実際に頭や手を働かせて練習したり、問題を解いたりしてやってみるしかありません。ダンスを覚えようとすれば、ひたすら練習するしかないのと同じように、勉強もやってみるしかないのです。勉強の仕方がわからない、と悩んで一向に進まない、というのは方向が違うかな、と思います。「これだけやったんだ」という思いが、たとえすぐに結果が出なくても自信につながります。皆さんの先輩で、大学受験をした時、それまで使ったノートを積み上げて「こんなにやったんだから大丈夫」と自分を励ましていた、と話した人もいます。これは振付師のMIKIKOさんの言う、自分で積み上げた自信ですね。何かをできるようになりたい、と思ったらいつまでも迷ったり悩んだままにせず、ともかく実際にやって、ちょっとした進歩を積み上げていくしかないし、それが自信につながります。試験が終わったところですが、改めて勉強に向かう気持ちを持ってもらえたら、と思ってお話ししました。

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