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~校長室の窓から~「 放送朝礼のお話し(外国語科 大瀧先生)」

2021.09.13

 今朝は9月の月目標についてお話ししたいと思います。すでに教室に貼られているポスターは高3の伊藤美紗子さんが作成して下さいました。9月の月目標は「正義」と「連帯」です。最近、海外のニュースでは、正義が脅かされている状況を多く目にします。夏休み中から大きな話題となっていたのは、アフガニスタンに関することでしょう。一昨日、9月11日は約3,000人が犠牲となった「9.11 アメリカ同時多発テロ」から20年となる日でした。この事件をきっかけに、アメリカは対テロ戦争に乗り出し、アフガニスタンに侵攻しました。また、ミャンマーや香港をはじめ、様々な国や地域で生命や人権を尊重する正義が脅かされています。世界のこれらの問題を解決に導くためには、国々が「連帯」して、武力ではなく対話によって解決の道を探っていくしかありません。このような大きな問題に対して、私達は何もできないように感じるかもしれませんが、世界で何が起きているかを知ること、知ろうとする努力を怠らないこと、そして忘れないことが大切だと思います。そして、苦しんでいる人々に心を寄せて祈り続けること、それこそが私達にできる「連帯」なのではないでしょうか。ポスターに書かれている「私たちの心はたった十数人のためではなく、何億、何十億の人のためのものでなければなりません。」というラファエラ・マリア様の言葉のように。

 そしてもう一つ、正義には私たちにとって身近な「個人の正義」という意味も存在します。自分が正しいと信じていること、こうあるべきと思っていることを指して使われています。時に私たちは自分の正義を人に押し付けてはいないでしょうか。一人一人の正義が決して間違ったものではないとしても、人にはそれぞれ異なる立場や状況があり、誰かの正義が100%他の誰かの正義になるとは限りません。昨年からのコロナ禍において、「自粛警察」や「マスク警察」という言葉が登場し、SNSを中心に誹謗中傷が横行しています。自分の正義が絶対ではないかもしれないと立ち止まって考えること、自分とは異なる立場や状況に対して想像力を働かせる心の余裕を持つことができれば、社会はもっと優しいものになると思います。そして、そのようなことの積み重ねが、真の「正義と連帯」につながっていくのかもしれません。

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