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~校長室の窓から~「 放送朝礼のお話し(美術科 北村先生)」

2020.11.13

おはようございます。美術科の北村です。

皆さん、時間が逆戻りする様子を目に見える形で表現するとしたら、どんな様子を想像しますか?

これは今話題の映画、「テネット」で描かれたテーマです。皆さんは時間の逆戻りをどのようにイメージしましたか?この映画では、時間が逆行すると、例えば前へ歩く人は後ろ向きに歩き、手から落ちたものは下から上へ吸いつくように動き手の中に戻ります。このようなシーンを監督のクリストファー・ノーランは、CGを使わずに撮影し映像化しました。

彼は「誰も見たことのない映像を表現したかった」と言っていますが、頭の中で想像して面白いと思ったことを、目に見える形で表現したかった興奮が伝わってくる作品でした。そしてまた、彼の想像力の壮大さに圧巻させられる作品でした。

その時感じたことは、人が想像する世界は無限大だということです。これは、映画に限った話ではありませんね。本を読むと作者の頭の中の考えに触れることが出来ますし、こんなことを考えることが出来たのかと自分では思い付かなかった発想に驚かされることは沢山あります。

現実の世界では、ものがあふれ、世界中どこの様子も簡単に目にすることができ、一見、目に見える現実世界は豊かに広がっているように感じます。ですが、そんな現代においても、目に見える世界よりも私たちの頭の中で考えられる想像の世界の方が大きいのではないかと感じる時があります。心理学では、人間が意識できている部分は氷山の一角で、多くの意識は眠ったままだと言われますが、日頃使っている私たちの思考もほんの一部で、本や映画で他人の発想に触れることで想像の幅を広げることが出来るのではないでしょうか?

芸術の秋です。コロナで例年より動きが限られますが、ぜひ、本や映画、絵や音楽などに触れてみましょう。まだまだ自分の知らない面白い世界が広がっています。

さて、高3の皆さんは、清泉での授業もあと10日ほどになりました。先日、これまでの作品を見ながら、それぞれの個性が素直に表現されていたことに、改めて感心させられました。

これまでの6年間で培ってきた想像力や思考力は、今後、問題に直面した時に、必ず解決への糸口となってくれるはずです。自分の力を信じて、頑張って下さい。

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