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校長ブログ

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2020.09.30

~校長室の窓から~「 放送朝礼のお話し(国語科 鈴木美衣先生)」

 明日から10 月に入ります。時間軸が元の 45 分に戻ると、不思議なことに日常のすべてが元に戻ったような錯覚を覚えてしまいます。でも盛夏服はもう明日から来年の夏まで着られません。代わりに冬服との併用期間が始まります。制服の衣替えと共に、新しい気持ちで後期を始めていきましょう。 さて、10 月の月目標は「和解と平和」です。これは、私たちの共同体が大切にしている 10 の価値の ひとつです。教室の素敵なポスターは、高 2 の伊藤美咲子さんが今年も作成してくださいました。9 月の ポスターと奇しくも「手」つながりですね。明日、伊藤さんのお話がありますので、放送を楽しみにし たいと思います。 ところでこの「和解と平和」の言葉を聞いた時、なぜか、真っ先に私の頭に浮かんだのは、創立者ラファエラ・マリア・ポラスの伝記に描かれていた「和解」とは正反対の「葛藤」と「困難」の半生のことでした。和解とは真逆の周囲の無理解と大いなる勘違いの 32 年間は、創立者であることすらすっかり 忘れ去られた修道院の地下での暮らしとなっていたことが知られています。 ですがここでは、理想的な「和解と平和」の例を引きたいと思います。 それは、7 年前に 95 歳で亡くなった南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領のことです。黒人であったマンデラ氏は、南アフリカ共和国にかつて存在した、人種差別・人種隔離政策すなわち「アパルトヘイト」の撤廃のために人生を捧げたことで知られています。 現在コロナ禍で、世界中のあちらこちらで人種差別・他者への偏見が噴出しています。これは人間の 愚かさと弱さを象徴してもいます。大阪なおみ選手が「自分のこととして考えて」という思いを込めて、 近年アメリカ社会で起こった理不尽な黒人の若者たちの死について、彼らの名前を書いたマスクをつけて試合にのぞんだことは記憶に新しいです。 マンデラ氏は 27 年間反逆罪で投獄されていましたが、1990 年に釈放され、復讐ではなく話し合いをしよう、と黒人たちに呼びかけ、「対話による問題解決」と「国民の和解」によって「南アの奇蹟」と呼ばれる世界の「和解と平和のお手本」を導き出しました。もちろん釈放直後の南アでは、極右白人によ るテロ、暗殺、黒人部族間の抗争による多数の死者、このまま内戦になってしまうのではないかという危機的状況があり、すんなりことが進んだわけではありませんでした。それでも粘り強く、交渉のプロセスを少しも省かず、支持者たち黒人の怒りを、新しい憲法を作るエネルギーに変え、さらに白人社会に根強く残る民主化への恐怖心に対抗して権力の分有を提案、「真実和解委員会」による、「和解」を呼び掛けたのです。 思えば、人が人を見下すことは、遠い国の人種差別の話ではありません。私たちの日常の中にもそんな他者への見下しや小さな偏見は潜んでいます。ともすればすぐに私たちは人と自分を比べ、悲観した り、逆に優越感に浸ったりしがちです。その根っこにあるのは、何でしょうか?答えの一つは自分への とらわれ、つまりエゴにあると私は思っています。私たちもコロナの感染防止のために、発想の転換をいやおうなしに強いられ、そこにはいろいろなせめぎあいがありました。先日の文化祭の中でも、ぶつかり合いやせめぎあいはあちらこちらで生じていたはずです。それでも自分のエゴを抑え、力によってではなく、話し合いでそれを乗り越えようとしたとき、殺伐としていた互いの心の中に、暖かい連帯の気持ちが流れたのではありませんでしたか? 一生懸命についてきてくれる下級生への感謝の気持ちは暖かいメッセージになって閉会式の場面でも たくさん届けられていましたね。そこでは目には見えなくても平和のにこちゃんマーク、すなわちピースマーク が風船になって漂っていました。 体育祭も間近に控え、体育祭実行委員会の方々は、今ご苦労されていることと思います。是非、迷っ たら話し合いを、そして一致点を探り和解を作っていってください。初めの話に戻りますと、聖ラファエラ・マリアにとっても、長い苦労の末に得た「和解」は何物にも代えがたい晩年の「平和」と「幸福」 をもたらしたのではなかったかと思われます。 最後に明日の夕方ですが、月ミサが行われます。時間は 4 時 20 分から、場所は、学校の図書館棟 1 階 の聖堂です。どなたでも参加していただけます。モヤモヤしている方、心が定まらず焦っている方、困った時の神頼みをしたい方、神様と対話をしたい方、などなど、かばんを携え、革靴を履いて、夕方の ミサに参加してみませんか?ミサに参加したら、意外とすっきりするかもしれません。 皆様の集まるところに、聖霊がきっとおりてくることでしょう。

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