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校長ブログ

~ 校長室の窓から ~ 「 新年 放送朝礼のお話 」

2019.01.08

 皆さん.あけましておめでとうございます。2019年がスタートしました。今年の5月1日から新元号にかわるので平成もあとわずかになりました。暮れからお正月にかけては穏やかな日々が続き、きっと楽しい冬休みを過ごされたことと思います。
 私もお正月は家でゆっくりテレビを見たりして過ごしました。元旦には分厚い新聞が配達され、その中に「1万1千日の歩み」と題された平成元年から30年までの主な出来事が一面にまとめてあり、改めて あっという間に過ぎ去った平成を振り返った次第です。
 1989年1月7日に当時の小渕恵三官房長官が、テレビの画面で「新しい元号は平成であります。」と紙に書かれた平成という文字を披露していたのを今でもハッキリ覚えています。皆さんが平成の世の中に誕生したのは、ちょうど この平成の真ん中頃だったわけですが この30年の間には実にいろいろなことが起こりました。
 平成という元号の願いに反して日本そして世界の各地で大きな自然災害に何度も見舞われ、またテロや戦争も繰り返し起きてしまいました。
 またその間に起きた革命的な技術発展は人工知能に代表されるコンピュータの進歩でしょう。皆さんも耳にしたことがあると思いますが、これからの社会では現在人間がやっている仕事を人工知能を搭載したロボットがすることになります。
 ですから今後の職業形態もだいぶ変わっていくことが予想されています。

 人間とコンピュータのかかわりについて、冬休み中にテレビで興味深い番組を見ました。題名は「ハドソン川の奇跡」です。再放送でしたので以前に御覧になった方もいると思います。それは実際に起こった飛行機事故を映画化したものです。
 飛行機は2009年1月15日午後 ニューヨーク近郊のラガーディア空港を予定どおり飛び立ちました。しばらくして多数の鳥の群れに遭遇し、その何羽かが飛行機のエンジンに侵入したためエンジンが2基とも損傷し、突如グライダー状態なりました。
 機長の判断でもとの空港に引き返すのは不可能と判断、緊急信号を発信して近くのハドソン川に着水する決断をしました。
 旅客機が川に着水すると言うことは相当な危険を伴う行為です。結果的に機体は奇跡的に着水時の大きな損傷もなく、気温-6℃、水温2℃のハドソン川へ不時着水しました。そこで水面上に浮いた状態でいられたので、救助に駆けつけた複数の観光船に155名の乗員乗客は全員無事救助されたのでした。
 その後、乗客を危険な状態にさらした機長の判断が正しかったのかの公聴会が開かれました。そこで事故直後から もとの空港へ帰還可能だったかのコンピュータを使ったシュミレーションが行われました。はじめは帰還が可能という結果が示されました。
 しかし機長は「事故が発生してから最終的な判断を下すまでには、いくつかの方策を試す時間が少なくとも35秒ほど必要だ」と強く主張しました。
 そこで事故発生から35秒間は必要な時間として、その後空港までもどれるかのシュミレーションを再度行うことにしました。すると何度試しても空港にもどれず途中で墜落するという結果になり機長の判断が正しかったことが証明されたのでした。
 先ほど、人工知能のロボットが人の仕事にとって代わる時代が来るという話をしましたが「ハドソン川の奇跡」のように いざというときの判断は私たち人間が蓄えた知識と経験が役立つことは否定できないと強く感じた次第です。

 さて今年の干支はイノシシです。
 イノシシのように目標に向かってまっしぐらに進むことも大事ですが、自分の言葉や行いが まわりの人にどんな影響を与えているのかを振り返ってみることも必要です。
 清泉で学んでいる私たちが大切にしている「周りの人に喜びを与えられる人になること」を忘れずに この1年を過ごしてください。

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