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校長ブログ

~ 校長室の窓から ~「 数学科 遠藤先生の放送朝礼のお話 」

2017.02.13

今朝は、度々皆さんから聞かれる、何のために勉強しているのか?ということについて考えてみたいと思います。

数年前、高校の友人から電話がかかってきました。電話を取ると、「あのさー、無理数ってなんだっけ?」といきなり数学の質問でした。中2以上の皆さんは、数学の授業で習いましたね。なぜ、こんな電話をしてきたのかと聞いてみると、高校の時に一度諦めたのだけれど、やっぱり看護師になりたいと思って、今大学受験の勉強をしているということでした。

この友人は、家から高校までが遠く、高1から親元を離れて寮で生活していました。寂しさもあり、途中で家から長距離を通学することにしたのですが、今度は通学が大変で、一時期遅刻、欠席が増えてしまいました。高校は単位を取らないと卒業出来ないので、試験前には抜けた部分を必死に勉強していて、私はよく数学を教えていました。そんな高校時代の名残で「数学を聞くなら…」と、私のところに電話をしてきたとのことです。

余談ですが、この友人は、「試験前に自分の勉強をしたいだろうに、わたしのせいで時間をとってごめんね」とよく言っていました。しかし、人に教えていた時の方が試験の出来は良かったです。説明しているうちに自分の頭の中が整理されて、理解が深まるようです。皆さんも、分からない問題を一緒に考えたり、教えあったりするとお互いのためになるので、是非やってみて下さい。

話を戻すと、この友人は、子育てをしながら大学に通い、一度諦めた夢を実現させました。高3の時には「私は受験で使わないから、もう数学は勉強しなくて良い!」と言っていた子です。この友人と話をしていて、目先の必要・不要に関係なく、学生時代に幅広く学ぶことの大切さが少し分かったような気がしました。

また、ある記者の方が、東日本大震災の後、原発の記事を書いたときに、「この記事を書くにあたり、今世の中で起きていることをきちんと理解したいと思い、必死に調べた。そして、そのためには、数学で学んだ指数関数(これは高2で学びます)、理科で学んだ放射線の知識が必要なものだったということが分かった」というようなことを編集後記に載せていました。

このように、社会に出てから、何かやりたい、知りたいと思うことが出てきたときのために今勉強しているというのが、「何のために勉強しているのか?」という質問の答えの一つではないでしょうか。必要な時が来るかどうかなんて、今は分からないと思います。でも、貪欲に色々なことを学び、基礎をしっかりと築いておけば、何かを学びたいと思ったときにきっと役立つはずです。

先日、今大学生の皆さんの先輩たちに会いました。まだ学生である先輩たちでさえも、一般教養をもっときちんと身に着けてから高校を卒業すれば良かったと話していました。今ならまだ遅くないと思います。是非、幅広い知識を身につけて、この学校を卒業していって欲しいと思います。

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