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校長ブログ

~ 校長室の窓から ~ 「 今年度の宗教研究会スタート! 」

2017.06.07

【 全体会での北村先生(美術科)のお話 】

この写真はある教科の部屋の前にいたキーホルダーです。
​さてどこにいるでしょう?答えは倫理科です。この中で注目してほしいのが、一番左のもじゃもじゃのこれです。確か数年前のバザーで福祉委員会が売っていた商品で名前はイエティ。雪男みたいな未確認生物です。他にもバザーの福祉委員会のフェアトレードでは色々なものが売っています。

 皆さんはこれらの商品がどこの国で作られたものか、知っていますか? 私もあまり意識せずに買ったのですが、これらのものはネパールの国で作られています。

 そのネパール、どこにあるどんな国か知っていますか? 地図で見ると、中国とインドに囲まれた所にあります。有名なのはヒマラヤ山脈やエベレスト。地理の授業で聞いたことがあると思います。国旗が四角じゃないことも目立つ特徴ですね。2年前には、首都カトマンズで大地震が起きたことでもニュースになりました。ちなみにアジア最貧国といわれ、1か月平均3000円くらいで暮らしていると言われています。

さて、そのネパールに数年前、偶然にも行く機会に恵まれました。というのも友達の友達が現地で働いているということで、こういうチャンスじゃないと今後行けないだろうと思い背中を押されたわけです。もともと、私は小心者で、小さい時には一人で夏の学校プールにも行けないくらいの怖がりなのですが、友達がいるということで行ってみようかなとなり、旅に出ました。(ちなみに友人とドライバーさん付きと特別待遇です!)そんな偶然からスタートしたのですが、現地に行ってみると、今までになくビックリさせられたり考えさせられたりすることがありました。

普通、旅行というとワクワクしますよね?でも、首都カトマンズの空港に着いた時に感じたことは、「正直このまま飛行機に乗って今すぐ日本に帰りたい!!」の一言でした。この感覚は数年たった今でも鮮明に覚えています。なぜか?というと、まず空港は男性ばかりで、道はバイク・車・人、犬、牛が雑然と好き勝手に行き交い、電信柱は電線だらけ…と町中ザワザワゴチャゴチャしていて、衛生面、安全面など日本とあまりに違うことに理由なしに感覚的に衝撃だったのだと思います。

 そんな第一印象から始まったのですが、折角ネパールに来たのだから友達に進められた所を観光しました。ここはパシュパティナートという観光地での光景ですここには、ネパール最大のヒンドゥー教寺院があるのですが信者じゃないと入れない、とても神聖なところです。ヒンドゥー教徒が多いネパール人にとっては
聖地のようなところですね。その寺院に接しているこの前の川も神聖な川です。
カトマンズではなくなった方はこの川まで運ばれてここで焼かれ灰は川へ流す…ヒンズー教ではそうすることでなくなった人はまた生まれ変わるという思想があるため、この聖なる川に流すことはとても大事なことなのです。
 この川のそばでその光景を眺めていたのですが、燃やされた灰が流れる一方で、川を泳ぐ子供がいたり、水をくむ老人がいたりしているのです!もうびっくりでしたが、写真で分かるように茶色い水で全くきれいではない水ですが、彼らにとっては生きるための大切な場所なのだろうなあと感じました。
日本人にとっては、衛生的に透明な水にすることがイコールきれいだと思いますが、もしかしたら彼らにとっては衛生的にどうのということはここでは大事なことではないのではないか・・・日本人の当たり前や常識で当てはめることはとっても自分勝手な見方で、その土地の文化的なこととか思いとかを理解しないといけないのだなと実感しました。
 2つ目に印象に残っていることは、日本語の話せるネパール人のガイドさんに
カトマンズの隣の町を案内してもらったのですが、その方が話してくれたことです。この方は日本にも何度も来たことがあり、二つ国の状況をよく分かっている方なのですが、色々話した最後に「私のような日本人にできることって何ですか?と伺ったところ、「何よりネパールのことを知ってほしいことと、こうやってネパールを知ったら私たちネパール人のことを忘れずにいてほしい」と。

 ちょっと予想外ですよね。普通だったらもっとネパールに援助してほしいとかパールのものを買ってほしいとかお金にまつわるお願いがくるのかなと思っていら気持ちだけでいいのです!と言われている感じで。自分の汚さの方を感じてしまっのですが、なぜこの言葉が出たのだろうと考えるといまだに忘れられない言葉になって、おかげで、バザーで売られている商品もネパールのものだ!と気づかされり、買ってみようかなと思ったり、街のインド料理屋さんの半分はネパール人がやっいるとかネパールに関する情報に敏感になっているのです。思うということは気づされることであり行動につながることなのだなと思いました。

私は日本の忙しい毎日の現実逃避もあって休みに時々外国に旅行に出かけるのですが、日本に帰ってきて思うことは日本の良さをとても実感します。ネパールのゴチャゴチャした町と日本を比べると、整然としているのは日本人のきちんとした性格が関係しているのだろうなとか、日本人の特徴とか自分自身を振り返るきっかけになったり、改めて知るきっかけになったり発見が多いです。
自分が知らない所や知らない世界に飛び込むことや、今までやったことがないことをやってみることはとても勇気がいることです。私もあまり積極的な方ではないのでそういう時はとても不安があったりドキドキしたりします。でも、思い切ってやってみるとその先には今までとは違ったものがあって得るものは多いです。

聖堂にて

私がネパールに行ったのは自分から行きたいと思ったからではなく、友達がいるから…という流れで、半分他力本願での経験でしたが、結果今までにない経験と出会いに繋がりました。

皆さんも自分で決めて進んでやってきたこともあれば、友達に誘われて…とか、なんとなく流れで…とかで偶然やることになったことってあると思います。私は結構ある方なのですが…でも、そのなんとなく…とか偶然がきっかけでいい経験が出来たことや、今に繋がっていることって意外にありませんか?

私はそんな偶然も必然のことなのだと思うようにしています。なんとなく断れずにやることになったとか、私は学生時代から多々そういうことがある人でしたが、逆に言えば、そうでもなきゃ経験できなかったこともたくさんあります。自分で選んでいくことは大切ですが、時に偶然の出会いもチャンスだと思うことで、自分の世界が広がっていくと思います。

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