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校長ブログ

~ 校長室の窓から ~ 「放送朝礼のお話(Sr.大河内先生)」

2017.11.30

 明日から12月になりますので、新しい月目標がクラスに掲示されます。
​清泉が大切にする「10の価値」のうち八番目になりますが、「真理」が12月の目標です。
ポスターには「あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」というマタイによる福音(5:14,16)のことばが掲げられています。

ちょうど二ヶ月ほど前ですが、スペイン人のシスターがローマから来られたとき、この学校の中を見学して、おっしゃられたことは、「スペインの姉妹校の生徒達と同じ制服を着ているというだけでなく、同じ価値を身につけようと学んでいるということがとても嬉しく一体感をもった」ということでした。今、世界の中で聖心侍女修道会の学校は50校ほどありますが、「10の価値」だけでなくその根本にあるキリスト教ヒューマニズムをもとに、皆さんと同じ精神で学んでいるというのも、グローバルな真理を私たちがもっているということだと思います。
また11月には、別のスペイン人のシスターが来日され、日本にある姉妹校全教職員のためにお話をしてくださいました。シスター・ヌリア・ガヨールというお名前で、マドリードにあるイエズス会系の大学、日本で言えば上智大学のような大学で、教授をしていらっしゃる方です。
その方がお話してくださったことを一つだけ紹介すると、「人間とは何か」とその本質を考えたとき、それは「受けることと与えること」だということです。だから「受ければ受けるほど、与えれば与えるほど、より本当の意味で人間らしくなっていく」のだそうです。
「受ける」とか「与える」という言葉は漠然としていますが、「受ける」とか「与える」というのは生命活動の基本と言えます。人の呼吸もそうですが、植物だって日の光や水や二酸化炭素を受けて、酸素を周りに与えて生きていますね。受けたり与えたりする活動は生きることの原動力、モーターのようなもので、生きるものの本質といえるのです。人間の場合は特に受けたり与えたり、人間同士の関わり合いの中で私たちが生きていることを示している、ということもできます。
「あなたがたは世の光である。あなたがたの光を人々の前に輝かしなさい」というみことばは、何か特別な才能によってアイドルのように脚光を浴びなさいと言うことではなくて、わたしたちの生きる原動力であるこの「人との関わり合い」を、真心のこもった温かいものにしていくことによって、この世界をより明るいものにしていく力が私たちにはすでに備わっているのだから、それに磨きをかけていきましょう、ということです。
皆さんにとっては、今は勉強して知識を得、日常生活のこまごまとした世話を家族からしてもらったり「受ける」ことの方が多いかもしれませんが、成長と共に徐々に「与える」側にまわっていくこともできるでしょう。
昨年度卒業した67期の有志の方たちが、今、横浜の教会で、フィリピン人の子ども達の学習支援と子ども食堂を始めました。皆さんの中でもすでにボランティアに参加している方も多いので、ぜひそういう活動にも積極的に参加して下さい。経験して初めて「与えることによって与えられる」という祈りのことばの意味を実感するでしょう。

​ さて、クリスマスを迎える準備として来週からは待降節が始まります。待降節とは一週間ごとにろうそくの灯火が一本ずつ増えていくアドベントクラウンが飾られますが、皆さん自身も一日ごとにより明るく、より温かいものを周りにもたらすものとなれるように、心がけて過ごして参りましょう。

清泉が大切にする10の価値

( 世界の姉妹校と共有する教育理念 )

1. 愛
2. 生命の尊重
3. 無償性
4. 一致・兄弟愛
5. 正義・連帯
6. 和解・平和
7. 喜び・希望
8. 真理
9. 自由
10. 責任

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