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2018.03.06

~ 校長室の窓から ~ 「卒業生への言葉」

 68期生の皆様、ご卒業おめでとうございます。又、保護者の皆様にも心からお喜び申しあげます。
おめでとうございます。

 本日は皆様の卒業を祝し沢山の来賓の方々がいらして下さいましたので、まずご紹介いたします。                  
  上智大学 神学部 教授 瀬本正之 神父様
  学校法人清泉女学院 理事長 塩谷惇子 様
  清泉小学校 教頭 古園みどり 様
  清泉女学院中学高等学校 泉会 会長 緒形啓明 様、緒方知枝 様
  清泉女学院中学高等学校 白水会 会長 立道伸一郎 様
  ラファエラ・マリア会 会長  松井かなえ 様
 皆様ご多忙中にもかかわらず、ご臨席を賜り厚く御礼申し上げます。
 
 さて68期の皆さんが、新入生として入学式を迎えたのは2012年の4月でした。この年は、ロンドンオリンピックが開催され、東京スカイツリーが完成した年でした。又、金環日食が日本の広範囲で観測されたのですが、それは平安時代の西暦1080年以来だそうで、皆で観測したのをよく覚えています。
 
 あらから6年が過ぎ、皆さんがこの清泉女学院を巣立っていく日がやってきました。そして、卒業式の季節に開花するようにと大船のフラワーセンターで品種改良された玉縄桜がこの日にあわせたかのように、下の校門で今満開になり、皆さんの門出をお祝いしてくれています。一人一人に卒業証書をお渡ししながら、あっという間の6年だったと感無量です。
 先日、図書館だよりが発行され、特集として「68期の皆さんに贈りたい花は何ですか?」というアンケートを、お世話になった先生方にとったところ「ひまわり」がトップでした。その理由として、「どんなときでもポジティブで笑顔がとてもあたたかい」とコメントされていました。
 そして、私がいつも感心していたのは中1のときから高3に至るまで、どの学年よりも欠席者が少なく皆元気に学校に通っていたことです。
 
 ところで、1月になってから、毎週木曜日の朝日新聞神奈川版の青春スクロール(母校群像記)というコラムに、清泉の卒業生の記事が大きく掲載されていたのに気づかれた方も多いと思います。3月1日(木)まで、計8回もそれぞれの分野で活躍されている清泉の卒業生が紹介されました。
 第1回は、前千葉県知事の堂本暁子さんと法政大学学長の田中優子さんでした。そのあともいろいろなジャンルの職業に携わっている方が紹介されています。
 私は卒業生の方が、清泉での6年間で、どのような学校生活を過ごされたのか、そして今、母校をどのように思っていらっしゃるのか、毎週楽しみに購読していました。 
 その中で印象に残ったメッセージがいくつかありました。「自由な学び」「ぜいたくな時間」「音のない中で祈る時間は心を静める貴重な時間」「どうよく生きていくのか、何のために生きるのかを考えるようになった」「命令ではなく、自分は何をしたいのか自分で決め行動する」などです。これを聞いて皆さんは「青春スクロール」の中で先輩たちが語っていたような思いが卒業後に自分たちの中にも芽生えるのかしら、と思ったかもしれませんね。
 
 皆さんはこの、中高6年間をどのように過ごしてこられたのでしょうか。新しい仲間と出会った中1時代は新しい生活に慣れるまで苦労した方もあったでしょう。クラブ活動・委員会活動やクラスで自分とは違った考え方をする人と出会い、そのことが原因で悩んだこともあったでしょう。又、大きな試練に遭遇した方もいらしたでしょう。
 でもこの6年間に大きな成長を遂げたのは確かです。10年後、20年後に「自分自身の青春をスクロール」してみれば、先輩たちと同じ思いがきっと蘇るにちがいありません。
 
 昨年の11月に国内にある清泉の姉妹校の教職員400名ほどが一堂に集まり、ミサと講演会が開かれました。
 この講演会のためにスペインから聖心侍女修道会のシスター.ヌリアが来日されました。Sr.ヌリアはマドリードにあるイエズス会系のコミーリャス大学で教授をしておられる方です。
 その講演の中で「受けること」と「与えること」のお話しがとても印象に残りました。
 Sr. ヌリアの言葉を引用すると「私たちは生まれたそのときから生命を『受け』、その後も周りの人たちから食べ物や愛情や知識を『受け』ながら成長していく。
 つまり生きることは絶えず他からプレゼントをもらっているようなもので、私たちの命そのものが『賜り物』や『贈り物』なのです。
 そして私たちは『受け』たものを自分のためにだけにとっておくのではなく、自分が『受け』たように他者に『与える』ことができるほど深い喜びのうちに充実した人生を送ることができる」と。
 
 皆さんもお気づきのように、このような生き方を実践されたのが私たちの創立者聖ラファエラ・マリア様ですね。
 「与えることによって与えられる」という体験はきっと68期の皆さんも6年間の学校生活の中で体験したにちがいありません。
 
 皆さんが卒業後、立ち向かうことになる未来の世界は、一体どのようなものになるでしょう。
 最近読んだ「Beyond Human」という本によると、何年先になるかはわかりませんが、寿命が250歳となる超人類が出現可能になるそうです。
 この人の体は、内臓のほとんどが体内に収納された人工臓器です。
腕は自由に動かせる義手、目は網膜に埋め込まれたコンピューターチップであらゆる情報にアクセス可能なコンタクトレンズ、さらに体内には無数のナノボットと呼ばれる細胞より小さいロボットが四六時中、病気や老化を防止する働きをしています。
 そして大脳は神経インプラントと呼ばれているチップが埋め込まれていて、記憶力や判断力を補助してることで250年も生きていられるそうです。
 
 ただし、このSF物語のような250歳の超人類が実際に実現するかというと、私はそれは無理だと思います。さまざまな医療テクノロジーの開発は可能であっても、経済的にも精神的にもこれらの装置すべてを受け入れる人がほとんどいないと思われます。
 人が生きていく上で真の幸福は単に寿命が延びるだけでは得られないからです。
 
 これから皆さんが生きていく時代は、コンピューター技術、遺伝子工学、ナノテクノロジー、そしてロボット工学などたくさんのテクノロジーが融合され、凄まじい発展を遂げていくことになるでしょう。
 でもこのテクノロジーによるたくさんの恩恵とともに、「倫理的に難しい問題が絡み合う複雑な時代」でもあると思います。
 
 これからは、さらにいろいろなことを勉強し、これらの完成するかもしれない新しい技術が「富める人にも貧しい人にも等しく役に立ち、幸せにできる可能性があるのかを見極める力」を是非やしなって下さい。
 そして、どんな出来事に遭遇しても、自分でしっかり考え、判断し、まわりの人のために尽くせる女性になって下さい。
 
 この清泉で学んだ皆さんだからこそ、それができると信じています。
最後に、卒業する皆様に神様の豊かなお恵みが注がれますようお祈りしています。
 以上をもちまして「卒業生へのことば」とさせていただきます。
 
( 卒業生への言葉 )

卒業生への言葉

( 玉縄桜 )

玉縄桜

( 来賓祝辞 上智大学 教授 瀬本正之神父様 )

来賓祝辞

( 講堂内の様子 )

卒業式