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2017.10.03

~ 校長室の窓から ~ 「 後期始業の言葉 」

 皆さん、おはようございます。今日から後期のスタートです。いよいよ今年度の後半に入りました。9月に授業がスタートして1ヶ月が瞬く間に過ぎた感がありますが、この1ヶ月の間に色々な出来事がありましたね。
 先週の木曜日は思いもかけぬ休校になりました。その日は朝から天気図とにらめっこしていました。この分だと雨雲は9時前には通り過ぎるので3時間目からの授業スタートを考えていました。ところが国道1号線でタンクローリーの横転事故があり、バスの運行が妨げられるという情報が入りました。この時点で休校を余儀なくされた次第です。
 ところで先週末、無事終了した清泉祭はいかがでしたか。今年も何とか天候にも恵まれ、参加団体の活気あふれた姿を見ることができたと思います。また次の行事の体育祭に向けて、元気いっぱいの活躍を期待します。
 そして、9月30日と10月1日に行われた関東合唱コンクールで中学・高校音楽部が金賞を受賞し、特に中学は10月29日行われる全国大会に出場することになりました。おめでとうございます。
 
 そして、先週の火曜日にはローマから二人の総長補佐のシスターが来校されました。そのうち一人のシスターは、スペインの姉妹校出身です。「かつてあなたたちと同じ制服を着ていた」とおっしゃって懐かしがっておられました。ご存知のように清泉には世界中に50以上の姉妹校があるので設立母体である聖心侍女修道会の総長や今回いらした総長補佐のシスター方は全世界すべての姉妹校を訪問されています。今、世の中グローバルブームですが、清泉は創立当初からグローバルだったというわけですから大いに誇れることですし、こんなに沢山の姉妹校がある学校は日本中でもほとんどないのではと自画自賛しています。
 
 また、9月の始め学校に1冊の雑誌が私の手元に送られてきました。思えば半年以上前フリージャーナリストの猪熊さんという男性が「学校の取材をしたい。エコノミストに載せるかもしれない」と言っていたのを思い出しました。取材を受けたときは伝統校の紹介というだけで実際本当に載るかどうかもはっきりしなかったのですっかり忘れていました。その雑誌は「エコノミスト」で、表紙の上端に「名門高校の校風と人脈」とあり清泉の記事が1ページにわたり書かれていました。名門校と書かれてとてもうれしかったです。
 記事の内容が誇大広告だと言われないように皆さんも一人一人清泉の生徒としての自覚を持って行動してもらいたいと思います。また高3の皆さんは清泉女学院での授業も残りわずかになりました。最後まで自分に納得できるような進路に挑戦して下さい。
 
 さて、今月「清泉が大切にする10の価値」のテーマは「和解」「平和」です。そして、これが今月のポスターです。写真はスペインにある姉妹校の幼稚園の子供たちです。なかでも今日は「平和」についてお話ししたいと思います。現在、世界では一部の地域で紛争が起きて戦争状態になっているところもありますが、だいたいは平和の状態を維持しているといえるでしょうか。特に日本は戦後の72年間大きな自然災害や原子力発電所の事故も経験しましたが、戦火に巻き込まれることもなく大多数の人は平和な日常を過ごせてきたと思います。そして、忘れてならないのは、この平和は日本人が経験したことのない最大の災い、つまり今から76年ほど前に起こった第二次世界大戦の経験を土台に築かれた平和なのです。ですから平和を考えることは戦争がもたらした大きな不幸について考えておくことが大切だと思いお話しすることにしました。
 夏休み明けの放送朝礼でも、第二次世界大戦中に起こった悲惨な出来事の一つインパール作戦のお話しをしました。今日はそのシリーズの中で最もショッキングなお話しです。これからお話しすることは、戦争中・戦後を通じて国民には知らされていませんでした。また一部の意見で、すべての資料は消失してしまったので、放送した内容が事実とは異なるところもあるという人もいます。
 1940年、現在の中国東北部に通称731部隊という主に生物化学兵器の開発と研究をおこなう組織が存在していました。この研究を行うため日本から東大・京大・慶應他の医学部から優秀な医師が多数派遣されて、研究の過程で中国やロシアの捕虜に対して人体実験を行ったとされています。このNHKのレポートで一番印象に残ったのは、この人体実験を行ったとされる医師たちの行為は実験によって得られた研究結果の資料をアメリカにすべて渡すことで戦争犯罪人として裁かれることなく、戦後それぞれ各大学の教授として国民に尊敬される立場の人となっていたことです。ただ最後に証言した一人の軍医は、自分の行いを深く反省し再び生まれ変わることができたら人類のために尽くしたいと涙声で証言し、その後日本に帰国する直前に自殺したそうです。
 
 いつの時代でも戦争を起こすときの大義名分は、その国の平和を勝ち取るためということになっています。もし日本が今後再び、平和か戦争かの選択を迫られる事態が起こったとき、みなさんに76年前の失敗を二度と繰り返さないで欲しいことを強く希望します。そのために行動する第一歩が、来月行われる衆議院の総選挙です。ここにいる高3で、すでに選挙権をお持ちの方も多数いらっしゃると思います。選挙で投票するときは、立候補者のルックスや性別などで選ぶことなく、どんな政策を実行しようとしているのかを判断の基準に選んでください。そうすることが、これからの日本の平和を守ることにつながっていくと信じています。ある外国の女性政治家が「女性に教育することは国家をつくること。」といっています。みなさんはしっかり勉強し、思慮深く、まわりの人への思いやりを忘れない女性になって下さいね。
 
 最後に今月の聖書の言葉を読みます。
「悪い言葉でなく 聞く人に恵みが与えられるように その人に役立つ言葉を語りなさい」
(エフェソ 4章29節 より)
 
以上です。