卒業生メッセージ

55期 2005年卒 脇 悠子 さん
慶應義塾大学 理工学部 応用化学科 卒業

卒業から何年も経ちますが、中高時代は管弦楽部の活動に明け暮れ、行事や委員会と、今でも励まし合う友人と充実した日々を送っていたことを思い出します。合唱祭や体育祭の優勝で喜び、友人の舞台や試合で感動し、仲間と何かを創り上げた先に心動く経験ができること、一生懸命取り組んだものには心揺さぶる力があることを学びました。理科の授業は、植物や地質の観察、生物の解剖と、実際のものを見て理解する機会が多く、化学の実験では染料や繊維の合成など色の変化やモノが出来る瞬間にワクワクしたことを覚えています。
モノづくりに憧れ、応用化学科に進学、今はハーゲンダッツ ジャパンで新商品の企画を担当しています。市場動向やお客様のお声を参考に商品コンセプトの検討や試作品の試食、厳しい安全性基準を満たした原料調達や製造の実現に向けて意見交換を重ね、チームで一つの商品を創り上げていく面白さを感じています。これからも、こだわりを持って丁寧に商品を作り、その商品でお客様に喜んでいただけたら嬉しいです。

59期 2009年卒 寄立 結菜 さん
慶應義塾大学大学院 理工学研究科卒

大学に入って驚いたのは、清泉での理科は課外授業や実験が他の中高よりもはるかに多かったということでした。実際に目で見て手を動かすことは、楽しく印象に残るだけでなく、座学で得た断片的な知識では歯の立たない大学での講義内容を理解する力となりました。
大学院卒業後は香料会社に就職しましたが、清泉の実験で果物の香りの“香料”を作った経験は就活でも注目されました。子育てを楽しみながら、これからもみなさんに身近な柔軟剤や香水となる香料の開発に取り組み、社会に笑顔が溢れるような香りづくりに励みたいです。

60期 2010年卒 山本 恵美 さん
慶應義塾大学 文学部卒

チャレンジして乗り越えることの素晴らしさを実感

社会に出た後、いくつか高い壁に出会いました。それらを乗り越える力をくれたのは、清泉での教育、培われた豊かな感受性、そして生涯支え合いたい友達でした。私は活発な生徒ではありませんでしたが、とにかく好奇心が強い生徒でした。清泉の先生は私のどんな小さな疑問や挑戦にも全力で応えてくださいました。「なんで?」と思うこと、そしてたとえ失敗してもなにかにチャレンジすることは素晴らしいということ、それも清泉で教えていただいたことだと思います。
仕事では、国内外で外国人の方との仕事が増え、多様な価値観を認めて共に生きていくことがどれだけ大切か、痛感しています。清泉の先生方や友人が私の個性を尊重してくれたという記憶は、これからグローバル社会を生きるうえで大きな宝物だと思っています。そしてこの個性を受け入れ、感受性を育てる清泉の教育は、これからのグローバル社会で必要不可欠な部分をよく伸ばしてくれたなぁと思います。
先生のみならず、清泉には一生お付き合いしたい大切な友達がいます。思い出を共有し、育ってきた友達にはオーナーシップ、リーダーシップが身に付いている同級生が多いように思います。高い目標や夢を諦めず、輝かしい未来を勝ち取った仲間にはいつも励まされます。また、本当に辛いとき、「辛いね」と肩を並べてくれる同級生も多くいます。人生はうまくいくことより、うまくいかないことのほうが多いです。でも、それを共に歩む昔からの友達がいれば、どんなステージであれ、人生は豊かになる、そう確信しています。

60期 2010年卒 多田 真悠子 さん
神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部 看護学科 卒業

「他者を思いやることの大切さ」と「誰かのために働く喜び」を知ることができたきっかけは、清泉での6年間の学びの中にあったと思っています。日々の授業だけでなく、学校行事や部活動、ボランティア活動などに取り組む中で、様々な"心が動かされる体験"をすることができました。明確な将来像を持った友人も多く、お互いの未来について語り合う時間はとても有意義だったと感じています。
私の働く小児病棟には、家族と離れて辛い治療と懸命に向き合う子どもたちと、そんなお子さんたちを支えようと頑張るご家族がいます。清泉で育んだ思いやりの心を大切にしながら、これからも子どもたちとご家族の笑顔のために温かい看護を提供していきたいです。

60期 2010年卒 矢島 遙子 さん
東京大学 農学部 国際開発農学専修 卒業

部活や生徒会など思い出は多々あるのですが、30歳を過ぎ中高時代を振り返る今、出てくる大きな記憶のひとつは、小さな疑問にも真摯に答えてくださった各教科の先生方の姿です。授業はもちろん休み時間や放課後にも時間を割いてくださり、知識を経由して世界の解像度が上がっていく楽しさを教えていただきました。
農学部への進学希望のきっかけは公民の授業で知ったTICADや京都議定書でした。大学卒業後は農業や幼児教育の仕事を経て、スポーツという世界共通の言語を切り口に子どもたちの環境作りに関わりたいと思うようになり、今はサッカー本田圭佑選手の会社でプリスクールの設立運営をしています。
困難に面したりコンディションが上下したりする時があるのですが、清泉の先生方がそうであってくださったように、私も子どもたちと真っ直ぐ向き合える大人でありたく心に留めています。清泉で過ごされる皆さんの日々が、それぞれにとって、良きものでありますように願っています。

62期 2012年卒 廣實 慧 さん
立教大学 コミュニティ福祉学部 スポーツウエルネス学科 卒業

バレエダンサーを目指す人の中には中学卒業後すぐ海外留学する人もいますが、私は清泉在学中、バレエと勉学を両立させながら、将来の自分についてじっくり考える環境に恵まれました。私は色々考えた末、スポーツ系学科がある大学に進み、卒業後、" バレエの本場ヨーロッパでプロのバレエダンサーとして働く" という大きな夢を叶えました。現在はスロバキアにある国立バレエ団で働いています。異国の地で生活し、プロダンサーとして働いている今、大学で学んだことが非常に役に立っています。清泉で先生方に相談し本当に良かったと思っています。
現在所属するバレエ団には、色々な国のダンサーがいます。毎日共に働き、一つの芸術作品を創り上げるにはお互い積極的に歩みより、言語や文化、価値観などの違いを受け入れ尊重し合うことが欠かせません。会話力だけでなく、清泉で学んだ相手を思いやる心こそが大切だと今痛感しています。

63期 2013年卒 杉原 すみれ さん
東京海洋大学 海洋工学部 海事システム工学科 卒業

のびのびとした校風で、6年間で学業や部活動、学外での活動等、生徒各々が力を入れたいことを頑張れる環境が整っていたのが良かったです。また理系、文系、芸術系等様々な分野で活躍している先輩を見て、自分の本当にやりたいことを目指す勇気を貰いました。
現在は、念願叶って客船飛鳥IIで航海士として働いています。同じ海域を航行していても、気象・海象が同じであることはなく、刻々と変化する自然の中で安全運航を担うことは一筋縄ではいかないことも多くあります。しかしそれ故に、人間の力の及ばない雄大な自然の美しさ、作り物ではない“本物”の感動をお客様に楽しんでいただけた時の喜びと達成感はひとしおです。
船内には490人の乗組員がおり、国籍も様々です。安全運航達成の為には、部署間で連携を取り、意思疎通を密に行うことが重要です。
清泉で、相手を理解するには自分から歩み寄ることが大切であるということを学びましたが、その教えは仕事を行う上でも生きています。

64期 2014年卒 深水 布由実 さん
清泉女子大学 文学部卒

6年間所属した音楽部では部長を務め、100名を超える部員と共に合唱に夢中でした。その中で培った相手の気持ちを想像する力が、アフリカの小学校で教員をしている今も生きています。
言語・生活・価値観も違う人達と共に活動するには、自分と異なるものを受け入れることが大切です。その基礎となる力を中高時代に何度も失敗しながら身につけていけたことは、私にとって大切な学びでした。支えてくれる先生方、一緒に歩む友達がいる、そんな失敗できる環境であったからこそ、今でも生きている大切な力を身につけられたのだと思います。

65期 2015年卒 小坂 彩 さん
東京大学 経済学部

個性を伸ばしてくれる先生方や友達との出会い

私は、スポーツが大好きで、大学を卒業したあともスポーツに関わる仕事をしていこうと思っています。そのきっかけとなったのは、中学生のとき、担任の先生に、「好きなことを仕事にしてみるのもいいんじゃない?」と言われたことでした。一般的な価値観を押し付けるのではなく、生徒一人一人のことを考えたアドバイスを下さる先生方との出会いは、私の人生に大きな影響を与えてくれまし た。
また、清泉女学院には、スポーツや音楽に打ち込んだり、環境問題などの世界的な問題に目を向けている人など、個性豊かな友人がたくさんいました。その個性をお互いが認め合い、尊重する風潮があったからこそ、中高時代という無限の可能性を秘めた時期に、自由に自分の人生を考えるこ とができたのだと思います。
自然豊かな校舎で、親身になって生徒の個性を伸ばしてくれる先生方や、卒業してからも人生における大きな決断を相談できるような素晴らしい友達に出会えたことは、私の大きな財産となっています。

65期 2015年卒 林 ゆり子 さん
金沢美術工芸大学 美術工芸学部 美術科彫刻専攻 卒業

高校での進路選択では文系・理系に限らず芸術系のカリキュラムがあり、自分が希望する進路を選ぶことが出来ました。

「美大に行くと就職できないのではないか」という不安がありましたが、当時美術室に各専攻の卒業後の進路チャートが貼ってあり、私が進学したかった彫刻専攻の欄にはカークレイモデラー(自動車デザインの工程で、スケッチを見て粘土で実寸大のモデルを作る)という職業がありました。美大を目指したのは「彫刻を勉強したい」という気持ちからでしたが、その先の、卒業後どのような仕事を選べるのかまで高校生のうちにある程度イメージできたのは、大学生活を有意義に過ごすためにとてもよかったと思います。
先をイメージし学べたおかげで、大学卒業後、自動車メーカーに就職することができ、大学で学んだことを仕事に出来ました。

66期 2016年卒 小室 茉莉子 さん
麻布大学 獣医学部

意志を貫いて夢を叶える力を育んだ場所

私は清泉での6年間、ダンス部に所属し、高校2年生の時には部長を務めました。受験勉強をしながら、限られた時間の中で舞台を作り上げなければならないことに毎日プレッシャーを感じていました。しかし、その時期に忙しいのは私だけではなく、周りの仲間も同じように大変でした。共に励まし合い、相談し合える友人がいたおかげで、どんな事も乗り越えることができたのだと思います。清泉で過ごした経験は、何でも1人で物事をこなそうとしてしまう私にとって、今でもかけがえのないもので、部活を通して人と助け合う重要性を学ぶことができました。
進路を決める時期である高校1年生の時、私の担任は獣医師免許を持った生物の先生でした。私は幼稚園の頃から獣医師に憧れていて、将来の夢として考えていました。先生は自分の様々な経験を私に話してくださり、獣医師を進路の目標として決める上で多くの助言をいただきました。獣医学生となった今も、獣医師になる夢を追い続けられているのは、獣医師になりたいと強く思った気持ちと先生方の助言が今も心に残っているからだと思います。

67期 2017年卒 岩崎 由莉耶 さん
京都大学 法学部

清泉では、周りの人に恵まれた6年間を過ごせました。友人たちの目標に向かう姿に励まされたり、苦しい時に何気ない一言に救われたりすることもありました。
先生方は、迷ったときには何度でも背中を押して励ましてくださり、決断する時には私の考えを尊重して親身になって応援してくださいました。多様な価値観を尊重しあえる友人、「正解」を押し付けない先生方と出会えたことで、どんな環境でも自分を見失わずにいられると思います。
今の私が新たな夢に向かえるのは素晴しい先生方、誇れる友人たちに出会えたおかげだと思っています。

67期 2017年卒 鈴木 花安 さん
東京藝術大学 音楽学部

合唱を通して築き上げた大切な経験と人間的成長

合唱が大好きな私は、編入試験を経て中学2年から清泉女学院に入学し、音楽部に所属しました。それからの私は音楽部の仲間たちと美しい清泉サウンドの追求に中学高校生活のすべてを注ぎ、国内外の合唱コンクール出場や、ミュージカル上演などたくさんの貴重な経験をさせていただきました。進路は、人の心に響く歌を歌えるようになりたいと思い、歌唱技術と音楽性の向上のために東京藝術大学音楽学部声楽科に進みました。
私は、中高部活動の経験から、安定した石垣を作るには大きい石だけでなく隙間を埋める小石も必要であるように、合唱でも大きな役割も目立たない役割も全てが必要で、どの役割も欠かせないことを学びました。これからも小さなことを見逃さず、先生、家族、友人、多くの方との関わりを大切にしていきたいと思います。
将来は多くの人に癒しと喜びを感じてもらえるような歌い手になりたいです。

67期 2017年卒 薮内 彩季 さん
上智大学 総合グローバル学部 総合グローバル学科 卒業
慶応義塾大学大学院 文学研究科 史学専攻 東洋史学分野

大学では、中東地域研究を専攻し、同じく中東に興味を持つ友人たちとともに、中東の歴史、政治、文化を勉強しました。4年間の学びの中で、中東地域全般に抱いていた興味が、中東の近代化の歴史へと移りました。大学院では、19世紀のエジプト人が書いた書物を読み解きつつ、19世紀エジプトの近代化を分析する予定です。
清泉では、相手の視点になって考えることの重要さをボランティア活動や授業を通して学びました。大学でも、西洋の視点で書かれていることが多い中東の歴史を学ぶ上で、留学や言語習得を含め現地の視点に立って学ぶことはとても重要でした。
また、清泉で出会った、各方向で活躍する友人たちは、今でも学問領域を超えて繋がり、励まし合う存在です。
今後、研究という終わりのない世界に臨む上で、清泉で培ったあきらめない心と、常に気にかけて応援してくれる清泉の友人の存在を励みに、努力していきたいと思います。

68期 2018年卒 相馬 梨乃 さん
慶應義塾大学 看護医学部

素晴らしい仲間と愛情溢れる先生方に見守られた6年間

清泉で過ごした6年間は、さまざまな人に支えられ過ごしてきました。部員とは、ライバルとして戦いながら、誰かが苦しんでいるときには励まし合い、助け合いました。また、友人たちと話すことで、受ける刺激は大きかったです。ある時、友人が私に将来の夢を話してくれたことは、私は自分がこれからどうなりたいのかを考えるきっかけになりました。
先生方は生徒である私のことを見守って下さり、会うたびに優しい言葉をかけてくださいました。
また、ふとした時に周りを見ると自然がある所もわたしの清泉の好きなところです。聞こえる鳥の声や風の音、窓から見える空は自分の焦っていた心を落ち着かせてくれます。このことで、周りのノイズに惑わされることなく、自分の気持ちを整理できました。
看護は、自分が患者さんに何をしてあげられるかを考えて行動することが必要です。私はこの清泉の6年間で注がれた愛を、これから看護という道で様々な人に注いでいきたいと思います。

70期 2020年卒 卯月 伽弥 さん
京都大学 総合人間学部

現在私が在籍する学部には文理双方の学生が存在し、選択する授業から卒業後の進路まで全てが学生の裁量に任されています。私は人間の非合理性について関心を持ち、経済学と心理学という2つの領域を横断した行動経済学を勉強しようと決めましたが、この選択には清泉での6年間が大いに影響しています。中学・高校で所属していた音楽部では、練習で仲間と共に切磋琢磨し、困難を乗り越えてきました。コンクールやミュージカル公演といった活動の中で友人達の様々な価値観に触れ、既成概念にとらわれず柔軟な思考を持つことを学びました。また、合唱祭実行委員会では委員長として伝統を踏襲しつつ、多様な意見を取り入れることで時代に応じた活動を目指しました。大学では、学びを通じて既存の学問の境界線を越えて活躍出来るような人間になりたいと思っています。

70期 2020年卒 小瀬村 瑛美 さん
北海道大学 農学部 生物環境工学科 在学

農学と聞くと作物生理や品種改良、家畜体系などが思い浮かぶかもしれませんが、私が所属している学科では、灌漑排水設備や農業機械、農業が周辺環境に与える影響について学んでいます。一口に農業と言っても様々な側面からのアプローチがあり、非常に興味深い分野だと思います。
この学科を選択した背景には清泉で過ごした日々があります。清泉での6年間は非常に濃密でした。私は決して友人が多いタイプではありませんでしたが、合唱祭などのクラスでの取り組みや部活動を通じて、たくさんの同級生や先生方と関わり対話することで、多様な価値観に触れ、様々な刺激をもらいました。もちろんそれら全てが良い思い出とはいきませんが、知的好奇心に幅を持たせ、物事を多角的に捉えて考える力は確実に養われたと思います。今後も清泉で培った思考力を忘れず、あらゆる知識をどん欲に吸収し、日本の農業に貢献できるように励んでいきたいと思います。

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