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校長ブログ

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2020.01.09

~校長室の窓から~「 放送朝礼のお話(教頭 小川先生)」

皆さん新年おめでとうございます。新たな年、新たな目標を持って学校生活を送ろうと張り切っている人も多いことでしょう。今年はネズミ年ですが、ネズミは固いものをかじるのが好き、だから人間の私たちも何かハードなものに取り組んで挑戦しよう、とテレビで言っていて、面白いな、と思いました。皆さんにとって挑戦したいハードなものは何でしょうか?

さて、「清泉が大事にする10の価値」、一月は「自由」です。教室のポスターは高1の方が描いてくれました。ポスターのデザインとも少し関連して、私は今日、「何かをする自由」ではなく、「先入観や偏見からの自由」ということについてお話ししようと思います。

もう何十年も前の話ですが、大学生だった私はある日、藤沢の駅前にいました。今、OPAがあるあたりです。今OPAの2階入り口にはクレープ屋さんがありますが、当時はアイスクリーム屋さんが入っていました。そこで、5人くらいの聾学校、つまり耳の不自由な高校生のグループがアイスクリームを買って食べていました。彼らは手話でおしゃべりし、楽しそうにしていたのですが、アイスクリームを食べ終わると、ポイっと、カップなどのごみを歩道に投げ捨てて行ってしまいました。それを目撃していた私は驚き、次に何ともいやーな気分になりました。 道にごみを投げ捨てる人を見れば普通ムッとします。でもその時の私は聾学校の生徒のゴミのポイ捨て、という行為にたいして「あり得ない」と思い、いつも以上の嫌悪感を持ちました。なぜだったのでしょう?私は自分の感情にしばらく当惑してしまいました。そして、思い当たったことは、私の心の中に、「障害を持った人はそんなことをしない」、という思い込みがあったからではないか、そしてその思い込みを目の前で壊されて勝手に裏切られたような気になったからではないか、ということでした。皆さんはどうですか? 障害を持った方に限らず、「こういう人はこういう行動をするだろう」とか「そんなことはしないだろう」と言った思い込みや先入観が少しはありませんか? 「障害を持った人はポイ捨てなんかしない」という私の思い込みの奥にはさらに、「障害を持った人は毎日一生懸命生きているけなげな人たちだ。」という、さらに勝手な上から目線の思い込みがあるように思いました。でも、障害者の方からすれば、一方的にそんなふうに思われるのは困りますよね。今年はパラリンピックが開かれますが、たとえば障害者アスリートの方々は一生懸命努力して、目標に向かっています。彼らの努力や鍛錬に私たちは心から感動し、応援します。でも、みんながそのようにできるわけでもないし、日々努力している障害者の人だって、むしゃくしゃして何かにあたったり、気が緩んでだらしないことをしてしまうことがあるでしょう。それは障害者、健常者、という区別に関係ない、一人の人間として日々生活する中でありがちなことです。

私たちの社会ではしょっちゅう人間をグループ化します。国民や人種もそうですし、障害者・健常者もそう。日本でどんどん増えている外国人や難民、といったグループ分けもあります。ポスターの虹色で象徴されるLGBTもそうです。体育会系、文化系、などと区別する部活動もそうですね。それぞれのグループに属する人たちにはそれぞれの特徴がありますが、それを意識しすぎると偏見につながっていきます。特徴があっても同じ人間ですから、本質的には共通点のほうが多いはずです。色々なグループに区別される人たちでもお互いの違いや考えを尊重しなければ、皆が平和に共存する社会は築けません。他者と接するときに偏見や先入観から自由になって、お互いを尊重し共感する、それをいつも心がける一年にしたいと思います。

 

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