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校長ブログ

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2019.03.25

~校長室の窓から~「 終業式のことば 」

 72期生の皆さん、中学卒業おめでとうございます。そして在校生の皆さんはいよいよ今の学年も今日で終了です。清泉女学院は6年間一貫校なので、先日の高3の卒業式のように「感慨もひとしお!」という感じではないかも知れません。しかし、時は確実に流れ義務教育は終了し、清泉で過ごす時間も残り半分になりました。これからは自らの選択でさらに専門性の高い学習に取り組んでいくことになります。中3以上の皆さんにはその自覚を持ってほしいと思います。
 中3の皆さん、錬成会はいかがでしたか。人間がつくり出した核兵器により一瞬にしては史上最大の無差別殺戮が行われてしまいました。このような兵器を二度と使用してはならないことを私たちは後世に伝えていかねばなりません。
 ところで、私は3年前の入学式で次のような3つの話をしました。
 1つ目は、清泉での6年の間に色々なことにチャレンジしましょう。
 2つ目は、学校の授業を大切にしましょう。1日1日の授業の積み重ねが礎になり、大きな成果を生み出すことにつながります。
 3つ目は、学校目標はラテン語の「SURSUM CORDA」で「心をたかくあげよ」です。
 1つ目については、ここ2~3年、中1から高2まで、本当に色々な分野でチャレンジしていることを感じ、先生方はとても喜び、そして応援しています。
 2つ目の授業についてはどうでしょうか。今はそう思えないかも知れませんが、どの教科も・科目も1つとして無駄なものはありません。
 これから皆さんはいろいろな勉強をしていくことになるわけですが、人の記憶法について、次のような研究が知られています。人が何かを記憶しようとするとき、その年齢に見合った記憶法があるそうです。小学校の低学年までに有効なのは丸暗記型の記憶方法です。この代表的な例は「九九」です。この年頃までは丸ごと記憶の定着率が高いので、この方法でも有効です。
 しかし、年齢が上がるにつれこの方法では対応できない複雑な事柄が増えてきます。これらを効率よく記憶するには出来事順に頭の中に整理して記憶する方法が有効になります。例えば、アンモニアという刺激臭のする気体を知っているでしょう。1906年ユダヤ人のハーバーという化学者がこのアンモニアを水素と空気中に大量に含まれる窒素からつくり出すことに成功しました。これが高校の化学の教科書に必ず登場するハーバー法です。この発明によってハーバーはノーベル化学賞を受賞しました。なぜ20世紀のはじめハーバーが苦心してアンモニアをつくる研究に没頭したのでしょうか。それは19世紀になり急激に世界の人口が増加したためです。では何故アンモニアは必要なのでしょうか。実はアンモニアも化学肥料の重要な原料なのです。それまでは人や家畜の糞尿を農作物の肥料として使っていました。
 日本でも江戸時代糞尿は大切な肥料でした。その証拠に糞尿泥棒までいたことが記録に残されています。人口増加によりこの方法では大規模な食糧不足が予想され、アンモニアを原料とする化学肥料が急激に必要とされたからです。このような歴史的な背景もあわせて学習することで、「アンモニアの合成」という内容を、より確実な記憶とすることができるでしょう。ただ、この記憶法を活用するには、一夜漬けのような勉強方法では時間が不足します。ですから余裕をもったスケジュールをたてて勉強することが大切です。これから学年が進んでいくにあたり勉強方法も工夫し自分自身に適した方法を自ら考えて下さい。早速この春休みに今までの復習をしっかりして、次の学年に備えましょう。
 ところで修学旅行で長崎コースに行った高2の皆さん、長崎市内西坂公園の二十六聖人のレリーフ裏側の石積みに刻まれている「スルスムコルダ」のレリーフ見つけることができましたか。この言葉は二十六聖人記念館の設計者が、殉教したこの26人の信仰に対する強い思いをこの言葉に替えて刻んだと言われています。4月から新しい学年がスタートします。新しいクラスでどんな出会いが待っているか楽しみですね。「スルスムコルダ」心を高くあげ、まわりの人への思いやりを忘れず新たな目標に向かって頑張ってほしいと思います。

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