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校長ブログ

~ 校長室の窓から ~ 「中学卒業証書授与式の言葉」

2018.03.23

71期生の皆さん、中学卒業おめでとうございます。そして在校生の皆さんはいよいよ今の学年も今日で終了です。

高2は修学旅行、中3は広島錬成会から火曜日に帰ってきましたね。それぞれ旅先では普段見聞できないような貴重な体験ができたことと思います。

清泉女学院は中高一貫校ですから中3の皆さんには「卒業した」という実感が、あまりわかないかもしれませんね。でも、社会通念としては義務教育が終了し、これからは自らの選択でさらに進んだ教育をうけ、積極的に新たな学習に取り組んでいくことになります。中3以上の皆さんにはその自覚を持ってほしいと思います。

3月に入ると、私は毎年4つの卒業式に参加しています。3月6日に本校高校生の卒業式をスタートに、清泉女子大学、清泉小学校、そして今日の中学卒業式です。小学生から大学生までの卒業式をみていると、幼い子供が大人の女性へと成長していく様子が本当によくわかり感動します。

さて、71期の皆さんは2015年4月7日に中学入学式が行われました。この日は4月なのに真冬の寒さだったこと。数日前に満開を迎えた清泉の桜がまだ花をたくさん残していたことが私の記録に残っています。

3年前、71期の皆さんの入学式で、私は次のような話をしました。
「清泉は勉強と心、両方の教育を大切にしている学校です。その為つぎの2つのことを実践してほしい」と。
1つは、基礎的な学習に力を注ぐ。いいかえると学校の授業を大切にしてほしいということです。
2つ目は、まわりの人の喜びが自分の喜びにできるような人になることです。
そして、この2つは6年間を通して、どの学年になっても忘れないでいてほしいですね。

ところで皆さんはスティーブ・ジョブスという人を知っていますか。アメリカでアップルというパソコンの会社を設立し、マッキントッシュ(通称マック)という名のパソコンをつくってヒットさせ、最近ではiPhoneという画期的な携帯電話を世界に送り出した人です。
7年前に56歳という若さで膵臓がんのため亡くなりましたが、それまでに世界のコンピュータ関連業界への多大な影響力を示しました。
なかでも2005年6月にアメリカの名門スタンフォード大学卒業式でのスピーチが印象深いものでしたので、その一部を紹介します。
ちなみにジョブス氏はスタンフォード大学出身ではありません。あまり有名ではない大学を中退してしまったので高卒ということになります。この点でも世界の有名人ビル・ゲイツやバラク・オバマとは異なるサクセスストーリーの人物です。
スピーチの冒頭で「この世界最高峰の大学の卒業式にお招き頂き大変光栄です。実をいうと私は大学を中退したので大学の卒業式に出席するのはこれが初めてです」から始まり、その内容は3つに分かれています。
そのなかで1つ目の「点と点をつなげる」と題した内容を紹介します。

まずジョブス氏の生みの母親は、未婚の大学院生でしたので養子縁組により、裕福とは言えない里親のもとで育てられました。その際に大学まで進学させることが縁組したときの条件でしたので大学へは進学できましたが、高額な学費を里親に払ってもらっているにもかかわらず入学した大学では勉強する意味を見出せず、半年で中退してしまいました。しかし、学問すべてに嫌気がさしたわけでもないので、自分の興味が持てそうな講義をもぐりの偽学生となって聞きのこっていました。
このとき受講したカリグラフ(文字を美しく書く技法)の講義が、何年か後にパソコンのフォントやアイコンを造り出すヒントになったそうです。このことが「点と点が結びついた」ということです。

何かを学習して本当に身につくためには、受け身の姿勢ではなく自分から進んで学習する態度が大切だということと、その学習内容が今必要ではなくてもいつか役に立つ機会が訪れることを信じて取り組むべきだといっているのだと思います。

中1、中2に皆さんは将来自分が何をしたいのかも、よくわからずに毎日を過ごしているかもしれません。ですから興味が少しでも持てる何かが見つかったら積極的に取り組んでみて下さい。中学生の時に記憶したことは一生忘れませんよ。

高1の皆さんは自分で考え選択した4月からはじまる授業に向けて前向きに取り組むことと、クラブ活動や委員会活動では学校の中心になって活躍してほしいと思います。

そして高2の皆さんとは昨年の秋から個人面接をしてきました。その中で「あっという間に高2になってしまった。」「清泉の6年間の折り返し点を過ぎてから、加速度がつくように時が過ぎた。」「学校生活は楽しかった。これからしっかり自分のめざす学校に進学できるように頑張る!」という言葉をたくさんの方から聞きました。面接をとおして、皆さんにはまだまだ眠っている力があると確信しました。先生方も皆さんと一緒に頑張ります。「SURSUM CORDA」-心を高く上げ、悔いの残らない1日1日を過ごして下さい。心から応援しています。

 

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