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2019.01.21

~校長室の窓から~「 放送朝礼のお話(国語科 構先生)」

 国語科の構です。突然ですが、皆さん。“ツッコミ”は得意ですか?「なんでやねん!」って。今日はこの“ツッコミ”について話してみたいと思います。

 先日、ある大学の先生からこのような話をうかがいました。現代は他人の注意をいかにして奪うかが課題となり、それをめぐる競争によって社会が、産業が動いている、と。近ごろよく聞く「このままじゃ危ない」と危機感をあおる言葉はまさにそれで、聞く人の注意を奪い、そして思考を停止させ、自分にメリットのある方向へ向けさせるものなのだそうです。
 この指摘には妥当性があると思います。皆さんが学習する現代文の範囲で、十分説明がつきます。なるほど。すると某予備校講師の決めゼリフ「今でしょ」も、またその典型ということになるでしょうね。このセリフには人を焦らせ、うまく考えられなくし、発話者の望む方向へ導く力があると考えられます。
 先ほどお祈りの前に「私たちの身の回りは、どうしても私たちをそわそわさせる」と言いましたが、私たちはこのような言葉に取り囲まれており、よって生活する上で落ち着き、じっくりものごとを思考することが難しくなっている側面があります。NHKのチコちゃんは「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱りますが、私たちは望んで「ボーっと生きて」いるわけではない。むしろ、そういった機会がどんどん奪われていっているのではないでしょうか。近ごろの世の中の動きに目を向けると、そう思えてなりません。
 はっきり言って、これってまずい状況です。思考停止がよくない状況を自ずとたぐり寄せてしまうことは、よく知られていることです。たとえば誰だって、フランスのフランク・パブロフが描いた『茶色の朝』のような世界――茶色以外の犬猫は飼ってはならないという法律へ「そんなものか」と納得してしまうことから始まった全体主義の世界にはなってほしくはありません。けれども世の中はなぜか逆の方向を向いていて、あたかも私たちが深く考えることを望んではいないかのようです。
 これに抗うための大切なことは、かつてある歌手が歌いあげたように「想像してみよう」なのでしょうが、しかし時代はいびつに進化し、想像の前の立ちどまりさえ困難になっています。だからこそ、私はこう提案してみたいと思います。まずは「なんでやねん」から始めてみませんか? この“ツッコミ”には、目の前の状況を揺さぶる力があります。またそれだけでなく、どうしても前のめりになりがちな自分にもツッコミをいれ、落ち着ける効能もあります。様々なことに、ぜひこう言ってやりましょう。「なんでやねん!」

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