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~ 校長室の窓から ~「放送朝礼のお話 (外国語科 大滝先生)」

2018.11.29

 おはようございます。今朝は12月の月目標についてお話したいと思います。もうじき皆さんの教室に掲示される12月のポスターは、中3Jの伊藤光咲子さんが作成して下さいました。

 さて、12月の目標は「真理」です。英語では “Truth”という言葉で表されています。ポスターに書かれているラファエラ・マリア様の言葉は次のようなものです。
「神はわたしの心が光そのもののように一点の曇りも許さず透明であることを望んでおられます。神のまなざしはわたしを照らし出し、わずかな曇りも明るみにしてそれをなくすよう促してくださいます。」
少し難しそうですが、「光」、「照らす」、「透明」、「曇りがない」、そして「神の存在」ということが印象的です。清泉が大切にしている価値について書かれている他の文章によると、真理を体現するには自分自身の現実を謙虚に受け入れることが大切で、それによって自分の最も深いところにある確信に基づいて行動することができ、誠実さと対話による関係を築くことができる、というようなことが書かれています。さきほどのラファエラ・マリア様の言葉とも合わせて考えると、ここで言う「真理」とは「裏表のない誠実さ」に近いように感じられます。ただ重要なのは、単に一般的な意味での誠実さではなく、神様の存在があるという点です。聖書では真理という言葉は、キリスト自身やキリストの言葉を指すものとして登場するように、神のまなざしのもと、誠実で偽りのない心をもって行動することが大切なのだと思います。そして、このことを考えていたとき、清泉のモットーである「神の御前に清く正しく愛深く」という言葉に通じるものであることにふと思い当たりました。他の誰かの目を気にしてではなく、いかなるときにも自分の内面をしっかりと見つめ、神様のまなざしを感じて行動していくことを、私自身も改めて大切にしていきたいと思いました。

 少し話は逸れるかも知れませんが、今回「真理」についていろいろ考える中で私の頭に浮かんだのは、自分の母校の大学の標語であるLux Veritatisという言葉で、「真理の光」という意味のラテン語です。カトリックの大学であり、大学名が「人を望ましい人間へと高める最上の叡智」という意味を持つことを踏まえると、先ほどまでお話ししていた「真理」と全く無関係ではないように感じます。私たちが生きていく中で、何を大切にして、どこへ向かって進んでいくのか、ということを考える上で「真理」という言葉は一つの道標になるのではないでしょうか。

 最近、清泉のインターナショナルスクールを訪れたときに、ボランティア活動についてお話を伺う機会がありました。学校でボランティア活動を積極的に取り入れているのは社会に出てから自分を人のために生かせるようにするためというお話の中で、 “continuing St. Raphaela’s legacy”, “making a difference in the world” という言葉が印象に残りました。清泉という学校で教育を受けた人達に大切にしてほしい価値が凝縮されている言葉のように感じました。

 高校3年生の皆さんは、今日と明日の2日間で清泉での授業が最後になります。
この6年間で様々な教科の授業や授業以外の多くの場を通して、たくさんの大切な価値を学んできたことと思います。もしかして今はまだその実感がなくても、6年間で皆さんの中に蒔かれた種はこれから先の人生の中で必ず芽を出します。それは数年後かもしれないし、何十年も後になってからかもしれません。そのためにも、謙虚に学ぶ姿勢を持ち続け、たとえ小さなことでも世界をより良くするために、自分が何を大切にして生きていくのかということを常に考える人であってほしいと願っています。

 

 

【 清泉が大切にする10の価値 】

(世界の姉妹校と共有する教育理念)

1. 愛
2. 生命の尊重
3. 無償性
4. 一致・兄弟愛
5. 正義・連帯
6. 和解・平和
7. 喜び・希望
8. 真理
9. 自由
10. 責任

 

 

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